営業心理テクニック

 

営業活動全般は、顧客と営業の人間関係により強く影響します。つまり、営業として顧客の心理テクニックを利用することで、営業展開が有利に働くということです。

 

 

そこで心理学を用いた営業テクニックから、

購買心理を促進する心理テクニック、商談・プレゼンのための心理テクニック、クロージングのためのテクニックに絞って説明します。

 

 

 

1 購買心理を促進するテクニック

 

顧客の購買心理を刺激しい促進できれば、顧客確保ができ、商売繁盛間違いなしです。そこで、購買心理を促進するテクニックについて説明します。

 

 

目次

1-1 行列を作る心理テクニック「希少性の原理」

行列ができるラーメン屋さん、みなさんもこのようなシーンをテレビで見て、「羨ましい」と考えたことがあると思います。

 

ドンドンお客さんが来てくれれば、商売繁盛間違いなしです。ラーメンが美味しいから行列を作るというのも正解ですが、それだけではありません。特別な心理が働いているのです。

 

 

 

1-1-1 行列を作る社会現象

このラーメン屋さんの事例の他、北海道が台風でじゃがいもが不作でポテトチップの供給量が激減したときには価格が異常に高騰しました。

 

また、米が不作の時にお米を買うために長蛇の列を作る人々、バーゲンで商品を取り合う人々、パソコンや本を手に入れるために、長時間待つ人などの社会現象がテレビで紹介されています。

 

お米はしばらくすると手に入るようになりました。ポテトチップは食べるのを我慢したらいいと思います。なぜ、人は苦労してまで、このようなパニック的な行動をとるのでしょうか?

 

 

また、以前「ポケモンGO」というゲームが話題になりました。「ポケモンGO」のレアキャラを手に入れるために、大挙してゲーマーが集まる姿が話題になったものです。

 

そして、そのゲーマー達は食事をするのも寝るのも忘れ、レアキャラを求めて、徒歩で何十kmも移動するのでした。

 

この心理がわかれば、お客様がどんどん来るようになる心理がわかります。

この心理を活用して、営業活動を成功に導いていただきたいと思います。

 

 

1-1-2 行列を作る心理

上記の例の共通点は、いずれも商品が品薄であることが共通しています。

 

ラーメンにしても売り切れになる可能性を知っており、バーゲンではこの価格で手に入れることはバーゲンの時を逃すとできなくなります。

 

「ポケモンGO」では、商品が品薄だということではありませんが、なかなか手に入らないレアキャラを強く欲するために起こった行動で品薄によるパニックと共通しています。

 

このように、私たちには、手に入りにくいものを貴重だと考え、欲しくなる心理があります。

 

これを「希少性の原理」と呼びます。

私たちは、手に入りにくいものは、容易に手に入る物に比べて良いものだということが経験的にわかっています。そして、その心理は多くの人々に共通していますので、多くの人びとが不足した商品を求めて、群がってしまうということになるのです。

 

 

この「希少性の原理」には、心理的リアクタンスという理論が深く関わっています。

 

心理的リアクタンスという心理は、人間は、物事をコントロールしたいという欲求を持っており、行動の自由が制限され、脅かされると、自由を回復するような行動をとります。

 

米やポテトチップなどの商品が品薄になると、米やポテトチップなどを手に入れる自由を脅かされたと感じて、その自由を回復しようとして購入するパニック的な行動を起こすのです。

 

以上のとおり、「希少性の原理」と「心理的リアクタンス」は理性で認識することはできないにも関わらす、非常に強い行動を引き起こします。従って、販売を促進するテクニックとして利用することができるのです。

 

 

 

 

 

1-1-3 「希少性の原理」と「心理的リアクタンス」を営業で活用する

それでは、「希少性の原理」「心理的リアクタンス」を活用する方法ですが、

上記のラーメン屋さんの例では、一日に販売する量を限定しています。

 

意識的に品薄状態を作り上げているのです。

 

このように、顧客が購入するチャンスを限定することで「希少性の原理」と「心理的リアクタンス」を意図的に活用することができるのです。

 

このように、意図的に品切れを起こして、消費者の購買意欲を煽るテクニックを

「ハンガー・マーケット・ポリシー」といいます。

 

 

「希少性の原理」と「心理的リアクタンス」を活用する方法ですが、

販売数量を限定するほか、販売期間を限定する、販売地域を限定する、販売条件を限定するなどがあります。

 

例えば、航空会社の「早割」がこれにあたります。

また、ファストフード店が行う「半額セール」、スーパーマーケットによる「割引セール」など様々です。

 

 

営業トークでは次のようにご使用ください。

 

「特別価格で提供できる数は10台です。お世話になっている〇〇さんですから、大急ぎで報告に来ました」(「10台限定)と「大急ぎ」がポイントです」

 

 

「キャンペーンも残すところ3日になりました。ご存知ないと大変ですので、確認に来ました」

(「残すところ3日」、「ご存知ないと大変」がポイントです」)

 

 

「弊社では、○月○日から決算セールを行います。

〇〇(商品名)が日頃10万円ですが、このセールでは、7万円になります」

(「○月○日から決算セール」「このセールでは、7万円」がポイントです)

 

 

「○月○日から〇〇セールを行います。〇〇(商品名)が日頃10万円ですが、このセールでは、7万円になります。このような価格でご提供することはありませんでした。お求めになるチャンスです」

(「○月○日から〇〇セール」「このような価格でご提供することはありません」がポイントです)

 

 

このような販売トークがあります。自社に合わせて様々なトークをすることができるようになります。

 

 

 

 

 

 

1-2 真似する心理をつかうテクニック「社会的証明の原理」

 

あなたと友達が渋谷のセンター街で空を指さしながら見るようにしてみてください。

人が一人二人と寄って来て、最後には大勢の人が空を見上げるようになります。

 

 

人間には、他人の真似をして行動を決定するという心理があります。

これを営業に活用することで、顧客の購買意欲を促進することができます。

 

 

 

 

1-2-1 他人の真似をする人たち

あなたは、会議で多くのメンバーと対立していたとします。

対立しているメンバーには上司もいます。このとき、あなたは自分の主張を貫き通すことができるでしょうか?

多くの場合、自分が折れ大勢に従うものです。

 

 

また、あなたは多くの人が列を作っているラーメン屋さんとお客さんが全くいないラーメン屋さんとどちらが、美味しいと思いますか?

 

多くの人が列を作っているラーメン屋さんと答えることでしょう。

 

「美味しいから列を作っている」と考えるからです。

 

 

今まで知らない場所で迷ってしまった時、

朝であれば人の流れを見るとどちらの方角に駅があるのかを推測することができます。

これが他人を真似る心理です。

 

 

このように、他人の真似をして「人が人を呼ぶ」心理を考えてみましょう。

 

 

1-2-2 他人の真似をする心理「社会的証明の原理」

このように、人間は他人の行動を参考にして、自分の行動を決める傾向があり、特に、状況が不明確な場合には、周囲の人達の行動が正しいと捉え、行動を決める手がかりにしています。

 

これを「社会的証明の原理」といいます。

 

「社会的証明の原理」が働く理由ですが、多くの人の行動や考え方に従うことは正しいということを私たちは体験的に知っています。

また、人間の脳は、思考するときに多くのエネルギーを必要とします。そこで、エネルギーの節約が必要になるため、熟考せず行動を決定することがあります。この方法の一つが他人の真似をすることなのです。

 

 

たとえば、家電やパソコンを購入するとき、とりあえず、人気ランキングで上位の機種を購入することがあります。

また、自分の行動が決められず、SNSの投稿を参考にするというようなことが行われています。

 

 

また、「社会的証明の原理」が最も強く作用するための2つの条件をご紹介します。

 

第一が「不明確」なことです。人は、どのように行動するか確信が持てない時ほど、他人の行動を参考にして自分の行動を決めます。

また、判断材料が多い場合よりは、判断材料が少ないほうが「社会的証明の原理」が強く作用します。

 

 

第二が「類似性」です。「社会的証明の原理」は、他人が自分に似ている場合に、最も強く作用します。言葉を換えれば、自分と共通点の多い人の行動を参考にするのです。

 

 

 

 

 

 

1-2-3 「社会的証明の原理」を営業で活用する

よく、テレビやチラシの保険会社のCMやアプリのCMで、契約数No.1や市場シェアNo.1というキャッチコピーが踊っています。

また、ユーザーが使用感を語っています。これを行っている理由は「社会的証明の原理」の働きを狙ったものです。

 

営業マンとしては、上記の「類似性」に焦点を当てて、数多くのユーザーの中から、ターゲットの特徴に似た人を紹介することで購買心理を掻き立てることができるのです。

 

一番効果的なのは、「角の〇〇さんもお使いいただいています」というように知っている人物を引き合いに出すことです。

 

 

 

 

 

1-3 人を服従させる権威を使うテクニック「ヒューリスティック」

 

真似をする心理をつかうテクニックと並んで効果的な購買意欲を促進するテクニックに

「人を服従させる権威を使うテクニック」です。

私たちは権力に弱い。この弱点を利用した販売テクニックをご紹介します。

 

 

1-3-1 人は権威に弱い

あなたは主治医から「今日は食事を摂らずに睡眠を十分にとってください」と言われた場合反発することはできないでしょう。

 

また、サラリーマンであれば、社長から「今度の日曜日には、出社するように」と指示されて、逆らう人はほとんどいないと思います。

 

「〇〇大学の〇〇教授の研究によると」や「〇〇弁護士によると」などと言われると、疑う余地もなく信じ込んでしまいます。

このように、私たちは、大学教授、弁護士、医者、会計士などの権威・専門家の発言に弱いものです。

 

 

また、権威ではありませんが、テレビや新聞、雑誌等で紹介された報道ついては誰もが、何の疑問なく信用してしまいます。このように報道にも同じ効果があります。

 

なぜ、私たちは、このような専門家の意見に影響を受けるのでしょうか?

 

 

1-3-2 権威に従う心理

人を服従させる権力の影響力は「ヒューリスティック」という心理傾向が関わっていると考えられます。

 

「ヒューリスティック」とは、私たちが問題解決等の意思決定を行う際に無意識に行われる簡便な解決法のことです。

 

人間の脳は、思考するときに多くのエネルギーを消費します。

従って、エネルギー節約のためには、極力思考せずに効果が得られる省エネ戦略をとります。

これが「ヒューリスティック」です。

 

 

専門家は私たちより多くの知識と経験がありますので、専門家の判断は私たちの判断より優れていると考えます。

 

ですから、専門家の意見があると、「ヒューリスティック」が働いて頭から信じ込んでしまうのです。

 

 

 

 

1-3-3 権威を営業で活用する

ターゲットに影響を与えると思われる権威・専門家の発言を引用することです。

名前とキーワードでweb検索ができるものがあるでしょう。

 

次に、権威に関する新聞記事の切り抜きを持ち歩きターゲットに話すときにそれ見せること。

人間は聴覚情報より視覚情報が重要です、話をするだけでなく視覚に訴えたほうが、記憶に残りやすくなります。

 

 

その媒体が4大紙や日本経済新聞などのメジャー媒体であれば権威を感じて、信用力が強くなります。テレビ番組なら、録画して、ターゲットに見てもらいましょう。

 

 

そして、専門家のお墨付きを貰うことができれば最高です。

 

専門家の意見を紹介した記事やカタログを持ち歩いてターゲットに紹介することです。

 

また、ターゲットの業界の専門誌には、その業界のオピニオンリーダーの発言が掲載されています。あるいは、webサイトにも掲載されることも多くなっていますので、それを使うとよいでしょう。

 

 

 

 

2 商談・プレゼンのための心理テクニック

顧客に販売したい商品の良さを理解させるための営業活動が商談・プレゼンですが、

そのポイントは説得であり、信頼してもらうこと、理解しやすいことが不可欠です。

 

心理学的にオススメの心理テクニックを紹介します。

 

 

 

 

2-1 差別化-自社の強みを発揮する方法

営業活動をしていると、他社の営業マンとバッティングすることもあります。その時に、他社を排除するプレゼンや商談方法である差別化について検討しましょう。

 

 

 

2-1-1 差別化の問題点

他社を排除するには、差別化を行い、自社の優位性をクライアントに理解してもらうことで実現します。

この際、他社の悪口を言うことは、人格を疑われることにもなりかねませんのでやめましょう。

 

また、自社商品の優位性だけを述べただけでは、クライアントに優位性を理解してもらうことは難しいと言わざるを得ません。

 

よく、「顧客満足度90%」というキャッチコピーを見かけます。これで差別化しようということだと思いますが、「90%」が多いのか少ないのかがわかりません。

 

これは、アンケートで「あなたはこの商品に満足していますか?」などと聞かれて、仕方なく「まあ満足」に丸をしたものでしょう。

 

この場合、担当営業の顔を潰すわけにもいかず、少し甘めに評価するものです。

 

これをバイアスといいます。バイアスのかかったアンケート結果では信頼性がありません。

 

 

 

 

 

2-1-2 差別化に使われる心理「参照点依存性」

差別化を伝えるときに、比較するテクニックを使うことがあります。

私たちは、比較しなければその価値がわかりません。これは、不思議なことだと思われるのかもしれません。

 

例えば、あなたは、人参やキャベツ、ブロッコリーの価格はわかりますか?

日頃から買物をしていない人にはわからないと思います。

 

このように、あまり馴染みのない商品について、金額を当てるのは簡単ではありません。

 

ところが、同じような商品の金額と機能を確認して、比較することで、金額が推測できるようになります。

 

このように、ある商品Aに対して商品Bと比較することで商品Bの価値を知るという「参照点依存が働くのです。

 

 

比較を使った例は、ライザップのCMが有名です。

使用前の太った姿と使用後の痩せた姿を比較します。

併せて、音楽、姿勢、表情も変わります。これで前後の違いを強調しています。

 

 

 

 

 

 

2-1-3 差別化の方法

差別化とは、自社のストロングポイントをPRして、ライバル社のウィークポイントを突くことです。

プレゼンということでは、パワーポイントを使うことになると思いますが、ただ資料を作れば良いというものではあのません。

 

 

差別化の実施方法としては、まず、自社(商品)とライバル社(商品)のストロングポイントとウィークポイントをホームページからピックアップして書き上げます。

 

そうすると、自社のストロングポイントでライバルが訴求していない項目が出てくるでしょう。

 

これが、自社が強くライバルが弱い差別化の軸と呼ばれる項目です。この差別化の軸をどんどん訴求することで自社の優位性を理解してもらえるのです。

 

「参照点依存性」を活用するため、差別化で自社の優位性を訴求するときに、ライバル社との違いを比較表にしてクライアントに説明すると、理解しやすくなります。

 

また、数値やグラフを使うと感覚的にも記憶にも残りやすくなります。

 

例えば、「効率は従来品より大幅アップ」というより「効率は従来品の2倍に」という方が頭に入りやすく、これをグラフ化すると一目瞭然で理解できます。

 

 

 

 

 

2-2 権威をたてて信頼性をアップさせる

顧客を説得するためには信頼性を高める必要があります。そのための一つの方法が権威をたてることです。

 

 

2-2-1 権威をたてて信頼性をアップさせる事例

この人たちの「お墨付き」がもらえれば、信頼性が上がるのは当然です。

 

テレビのサプリメントのCMに医師や大学教授が出演してその仕組みについて説明するのですから、その効果を疑うわけにはいきません。

 

大学教授や弁護士、医師は尊敬される職業です。

 

私たちは、この職業と聞いただけで、素晴らしい人というイメージを作り上げてしまいます。お墨付きが貰えれば、権威のイメージが会社や商品のイメージを向上させます。

 

 

 

 

2-2-2 権威をたてて信頼性をアップさせる心理

前述のように、このような権威が人を服従させる影響力は「ヒューリスティック」という心理傾向が関わっていると考えられます。

 

「ヒューリスティック」とは、私たちが問題解決等の意思決定を行う際に無意識に行われる簡便な解決法のことで、意思決定に権威の意見に従うということです。

このよう、私たちは権威者の発言には何の疑問もなく信じ込んでしまいます。

 

 

また、大学教授と聞くと「勉強熱心でなんでも知っている人」

 

弁護士と聞くと「正義感が強く、芯の強い人」

 

医師と聞くと「学業優秀で任せられる人」のように、

 

職業の優秀性の他の部分についても素晴らしいと考えてしますます。

 

これをハロー効果、後光効果などと呼びます。

このような権威者が商品のことを褒めれば、消費者はそれを信じ込まなければなりません。

 

また、権威とは言えませんが、このレポートを書いているのが「日本心理学会認定心理士」であり、心理学の専門家であることから、信頼度は無資格の人よりも高くなります。

 

 

 

 

2-2-3 権威で説得するテクニック

「ヒューリスティック」や「ハロー効果、後光効果」を利用して説得するテクニックについて説明しましょう。

 

 

①    発言の引用

 

一生懸命に説得してもなかなか了解してもらえないものです。そこで、自分と同じような意見を持つ権威者の発言を引用するのです。

例えば、「〇〇大学の〇〇教授は、このように発言しています。・・・。このことから・・・と言えると思います」と説明すると、説得力が増します。

 

 

②    記事の使用

 

この時に、権威者の記事が掲載されている新聞や雑誌の切り抜きを見せながら、話をすると、説得力は更に効果的です。この記事が、説得する内容であれば、尚更説得力は向上することになります。

 

 

③    理論の活用

 

世の中には、様々な理論があります。これは、権威者が多くの事例や科学的に検証されたものですから、信頼性が高く、説得力が上がります。

 

「人間の心理は権威に弱いのです」というより「人間の心理はヒューリスティックという心理理論が働いて、権威に弱いのです」と言ったほうが信頼性は高まります。

 

 

 

2-3 プレゼンを成功させる心理テクニック

プレゼンにおいては、説得力があることが必須です。そのための心理テクニックについてご紹介しましょう。

 

 

2-3-1 講演会に学ぶ

プレゼンを成功させるためには、講演会に学ぶことをおすすめします。

 

私も、講演会の主催者として講師のアテンドをしましたが、参加者の心を掴んで離さない講師もいれば、面白くない講師もいます。

 

過去、資生堂の元役員永嶋久子氏、茨城県経営品質協会の鬼塚慎人氏etc. の講演では、心を打たれ涙なしでは聞けないものが忘れられません。

 

プレゼンでは、プレゼン相手が飽きることがなく、理解しやすいモノにすべきです。そのためのポイントについて考えてみましょう。

 

まず、講演会には「掴み」というものがあり、ここに注目しましょう。最初に聴衆の心をつかみます。

 

そして、多数の講師の中で好評だったのが、有名企業の経営者による講演会でした。説得力がありストーリーも面白かったのです。

 

 

 

2-3-2 興味を持つ心理とは

まず、どうすれば、講演の開始から、聴衆の心をつかむことができるのでしょうか?

 

例えば、あなたは、あるメーカーの調達部門に所属していたとしますが、生産効率が低下しているのが悩みです。あなたは大変忙しい立場です。

そのようなところに、2社から工作機械の提案がありプレゼンを受けました。

 

一社目は、「この商品は、高出力モーターをとLED照明を採用し、・・・。」と、前置きが長くイライラしました。

 

ところが二社目の工作機械のメーカーは「生産効率が30%アップ!高出力モーターをとLED照明を採用し、・・・。」という結論を先に述べるプレゼンでした。

 

 

前者のように、売り込みたい商品について長所を羅列し結論は最後になり、開発プロセスを述べたくなるものです。

 

しかし、これでは、聞いている聴衆は飽きてしまいます。

 

そこで、後者のよう、最初に結論・効果を述べるのです。これが、「掴み」に当たります。こうすると、日頃生産効率に問題を抱える人の心を強く惹きつけます。

 

 

また、先の講演会では、どうして説得力があり、聴衆の心を惹きつけるのでしょうか?

学者やコンサルタントの講演会もアテンドしましたが、聴衆の興味は経営者による事例発表が好評でした。

 

例えば「アサヒドライ開発秘話」「ディズニーランドの感動物語」など聴衆が聞いて納得したり感動するような内容であれば聴衆も引き込まれていきます。

 

理論ではなく実例なので、苦難を乗り越え成功を掴み取る内容です。そのため、聴衆は講師と共感して、自分もできるという自信が沸いてきます。ですから、聴衆は感動するのです。

 

 

 

2-3-3 興味を持たせるプレゼンの実現

強く引き付けるためには、聴衆の自己関与(関心)の高い結論から先に話をすることです。

 

そうすれば聴衆の心を掴んでしまうことができます。「経費が10%節減!」ということを訴求すれば、日頃経費節減に問題を抱えるクライアントに強く訴求できます。

 

日頃、クライアントが何に悩んでいるのかを知り、そのソリューションを提供します。

 

また、事例の紹介もしてください。顧客の発言の様子を動画で見せます。

 

それができなければ、

「〇〇さんは、これを導入して、生産効率が本当に33%も上がった、と喜んでおられます。」

 

というようにすれば、「社会的証明の原理」が働くことになり、購買意欲を促進することになります。

 

 

 

3 クロージングのための心理テクニック

商談・プレゼンが終わると、クロージングの段階になります。スムーズに契約にいたりたいものです。そのために、使える心理テクニックを紹介します。

 

 

3-1 フット・イン・ザ・ドア・テクニック

商談で、相手の承諾を得たい時、ダイレクトにお願いするよりも、まず小さなお願いをして承諾をもらった上で、本来の大きなお願いをすると3倍も承諾を得やすいという研究結果が報告されています。

 

このように、段階的にお願いをして承諾に誘導する手法をフット・イン・ザ・ドア・テクニック(段階的要請法)と言います。

 

 

 

3-1-1 ついつい買ってしまう

たとえば、デパートの食品売り場やスーパーでの試食ですが、歩いていると呼び止められて、

「新製品の〇〇です。試食のご案内をしています。」などと試食を促されて食べると

「いかがですか?」と聞かれます。「美味しくない」とは言いにくくなって、

ついつい「美味しい」と言わざるを得なくなって買うつもりはなくても、いつの間にか買ってしまいます。

 

 

 

3-1-2 ついつい買ってしまう心理 一貫性の原理

それでは、最初のお願い(試食を勧められること)を承諾すると、次のお願い(商品を購入すること)を拒否できなくなるのでしょうか?

 

それは、「一貫性の原理」という心理が働くからです。

 

私たちは、「言行一致」は好ましいと考えていますが、「言行不一致」は好ましくないと考えています。

言行に一貫性がないと、「信用できない人」「裏表がある人」「いい加減な人」だと見られ、

これに対して、言行に一貫性があると「信頼できる人」「誠実な人」と判断されるからです。

 

このように、最初の小さなお願いを承諾して、その後の大きなお願いを断ることは一貫性のない行動ですので、一貫性を保つためにその後の大きなお願いを断ることができなくなるのです。

 

上記の例では、「美味しい」という発言をしたために、「購入する」という行動に結びついたということです。

 

このように、フット・イン・ザ・ドア・テクニックは一貫性の原理の応用なのです。

 

 

 

3-1-3 フット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用する方法

フット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用するには、どうしたらよいのでしょうか?

 

例えば、いわゆる「お試し期間」が良い例です。サプリなどを無料で使ってもらい、 (小さな要請)、その後に契約をお願いする(大きな要請)ということで契約に導くというテクニックです。

 

また、新規のクライアントを開拓するときは、低価格の商品を使ってもらいます(小さな要請)。その後、大きな要請として、主力商品を売り込むのです。

 

これには、様々な活用法が考えられます。あなたも、活用法を考えてみてください。

 

 

 

3-2 ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(譲歩的要請法)はフット・イン・ザ・ドア・テクニックとは反対です。

 

クライアントの承諾を得たい時に、あえて大きなお願いをしてクライアントに拒否をさせて、本来の小さなお願いをすることで、承諾に導きやすくするテクニックです。

 

先に大きなお願いをして、その後で、小さなお願い(本来の要求)をすると、クライアントはこちらが譲歩したように感じます。

 

そうすると、クライアントは「譲歩してきたのだから、自分も譲歩しなければならない」と考えるようになります。また、「このくらいならいいか」という心理も働き、承諾に至るのです。

 

 

 

3-2-1 お返しをする社会通念

お歳暮やお中元をもらうと、お歳暮やお中元でお返しをしようと考えます。

 

また、バレンタインデーにプレゼントをもらうと、ホワイトデーにお返しをしようと考えます。

 

上記の例では、クライアントは「譲歩してくれたのだから、自分も譲歩しなければならない」と考えるようになったのです。

 

 

3-2-2 お返しをする心理

それでは、どうして譲歩には譲歩で応えるようになるのでしょうか?それは、「返報性の原理」が働くからです。

 

「返報性の原理」とは、他人から好意を示されたら、好意をもってお返しをしなければならないと考える心理です。この心理は、世界中のほとんどの文化で深く浸透しています。

 

譲歩も好意の一つとして考えられるために、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックでは、顧客も譲歩せざるを得なくなるのです。

 

次に、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックについての実験を紹介します。

まず、心理学者は学生に「少年たちを動物園に連れて行くので、2時間ほど手伝って欲しい」という依頼をしたところ、

17%の学生が承諾したとのことです。これに対して、「2年間にわたり、毎週2時間、少年のカウンセリングをして欲しい」と依頼したところ、全員が不承諾だったとのことです。

 

そのあとで、「少年たちを動物園に連れて行くので、2時間ほど手伝って欲しい」という依頼をしたところ、承諾率は50%に跳ね上がったとのことです。ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックには、これだけの効果があるのです。

 

 

3-2-3 「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」を活用する方法

次に、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを活用する心理テクニックですが、誰でも考えることは、見積書の金額の値引き額を抑えることが挙げられます。クライアントから金額を抑えるように依頼があった時に、譲歩値引きをして、クライアントの譲歩を引き出すことが行われています。また、クライアントの望むオプションを加える方法もあります。

 

譲歩値引きをする際に、クライアントに告げる言葉が重要です。例えばつぎのように答えると、クライアントは譲歩しやすくなります。

 

①    自分がやってみたい仕事なので、とにかく受注したいと考えました。

②    自分の経験や知識になるので、受注したいのです。

③    御社の将来に期待して値引きしました。

④    成功した時に追加報酬をいただきますので、値引きしました。

 

 

この理由が納得できるものであれば、クロージングがうまくいくのです。

 

 

3-3 ハード・トゥ・ゲット・テクニック

人間は「あなただけは特別」という特別扱いをされるのが大好きです。ハード・トゥ・ゲット・テクニックは、この心理を利用して、「あなただけに」と持ちかけて、クライアントを喜ばせてクロージングに持ち込む方法です。

 

3-3-1 人間は「あなただけ」に弱い

例えば、オーダーメイドのスーツを購入するとき「あなたのために作りました」といわれると、何か偉くなったような気がします。

 

また、「プレミアム会員のあなただけの特別サービスです」などと言われると、すごく得した気分になります。「ここだけの話しなんだけと」と言われると、特別な関係や親密感が生まれます。

 

 

 

3-3-2 特別扱いによる心理効果

ハード・トゥ・ゲット・テクニックによる心理としては、「返報性の原理」と「自我の欲求」が関係していると考えられます。

まず、「返報性の原理」とは、他人から好意を示されたら、好意をもってお返しをしなければならないと考える心理です。つまり、特別扱いをしてくれたお礼に契約するという心理が働くのです。

 

また、「自我の欲求」とは、他人から高く評価されたい、尊敬されたいという欲求です。

 

こういった欲求が満足すると、気分が良くなります。気分を良くしてくれたお礼に契約するという心理です。そして、気分が良い時には、相手の人を好ましく感じる「気分一致効果」が働くので、信頼関係を気づくこともできます。

 

 

3-3-3 ハード・トゥ・ゲット・テクニックを活用する方法

ハード・トゥ・ゲット・テクニックを活用する方法ですが、

「あなただけに」「あなた優先で」「あなたのために」という気持ちを言動にすることです。

 

具体例としては、次のような言葉を伝えることです。

 

「長年お世話になっている〇〇さんですから、特別条件で購入いただける商品を用意しました」 「ここだけの話ですが、〇〇さんだけの特別価格です」

 

「〇〇さんのお誕生日だということで、社長からのワインをお持ちしました」

 

クライアントからの訪問依頼に対して、「その日時には、予定が入っているのですが、〇〇さんのご依頼ですから、〇〇さんを優先します。」

 

 

これも、非常に効果的なテクニックですので、活用してください。

 

 

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