ビジネス心理用語解説

ビジネス心理学を素人でも使いこなすツールを開発

 

 

ビジネスは、人と人の間で行われます。ですから、人間心理を知ることで、ビジネスはスムーズに展開することができるはずです。しかしながら、心理学用語は専門的で難解だという問題点があります。そこで、ビジネスで使える50の心理セオリーをピックアップして平易に解説することにしました。

 

 

 

心理学を簡単に利用する方法 アセスメントリストの使用方法

 

簡単に解説したとはいえ、50に及ぶ心理セオリーを記憶して、臨機応変に使用することは、多忙なビジネスマンにとって、大変難しいものです。そのため、心理学を簡単に利用する方法として、目的別に使える心理セオリーを整理して「アセスメントリスト」を開発しました。このようなことから出来たのが「ビジネス心理用語解説」です。「人間には様々な心理傾向があるのか」ということをご確認いただけると思います。

 

 

アセスメントの考え方 心理学を使用する「虎の巻」

 

「ビジネス心理用語解説」が出来たとはいえ、なかなか心理学の理論を利用することは難しいものです。そこで、簡単に心理学を利用する方法を説明します。

例えば、風邪の場合、医師は、熱、咳、鼻、咽喉といった諸症状に応じて別々の薬を処方します。心理学でも同様で諸症状に応じて対処法を処方します。これをアセスメントといいます。

例えば、「お客様の好意を獲得すること」を目的(症状)として、それを実現するためのアセスメントを行います。「何回も会うこと」や「自己呈示すること」、「態度が類似していること」などの処方をすれば相手に好感を与えることが分かっていますので、顧客好意の獲得に結びつきます。また、同じようにして「購買心理を促進すること」や「承諾させるテクニック」なども目的(症状)として、アセスメントを行っていきます。

このように、目的(症状)に応じたアセスメントを行い、その目的(症状)を達成していけば、営業部門のレベルアップや顧客満足や顧客の囲い込みにも適応できるという考え方です。

 

 

 

とはいうものの、読者のみなさんに、「心理学の理論を教えるので、あとは自分たちで考えなさい」というのは、あまりにハードルが高いと思います。今まで、心理学の実用書はありますが、心理学理論の説明に終始していたきらいがあります。そこで、営業関連部門の各取り組みにどの心理理論が適用できるかを明確にしました。

 

 

アセスメント(処方箋)の作成

まず、読者の会社で何をするべきなのかをこのアセスメントリストで確認してください。そうすると、いくつかの目的がピックアップできるでしょう。アセスメントリストをご覧ください。これは、部門別、取り組み別に目的を設定して、その処方・アセスメントを一覧表に示したものです。アセスメントを行う際の虎の巻です。リストの右隣にこれに対応する理論やシステムをアセスメントしています。その目的を達成するための処方です。

そして、先ほどの「会社で何をするべきなのか」という目的(症状)と処方すべき理論を組み合わせると、アセスメント(処方箋)が出来上がります。

 

 

ビジネス心理用語解説・アセスメントリスト

それでも、作業としては、「目的がお客様の好意を獲得」であれば、①単純接触仮説の心理セオリーを解説書から探し、②当該記事をコピーして、保存します。そして、この作業を態度の類似性、好意の返報性などの心理セオリー毎に行います。

これに対して、当解説書では、自部門の課題に対して、前述の面倒な作業を必要としません。該当する「目的」をクリックするだけで必要な心理セオリーが画面に表示されるようになっています。これが、自部門のソリューションということになります。この機能を利用することで、全てのセオリーを頭に入れる必要もなく、すぐにでも心理テクニックを利用することができます。

 

自社最適な戦略を構築

次に、「ビジネス心理用語解説」を参考に具体的に何を行うべきか参考にしてください、このアセスメントは、計画書の位置づけることができます。実行する場合の進捗確認や成果チェックに使用し、戦略の改訂を行ことが可能であり、PDCAを回す際の管理資料として利用することができます。

このアセスメントに従い、次の心理理論説明書に基づき何をしたらよいか戦略を立ててください。

 

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「アセスメントリスト」を見る

 

ビジネス心理用語解説目次

 

目次

放置すると怒り出す「MUM効果」

悪い情報は伝えたくないという心理傾向をMUM効果といいます。子供は、悪いことをすると親に内緒にするものです。この心理がMUM効果です。現代社会では、自分の所属する組織の問題点をオープンにしない体質がありますが、この心理がMUM効果です。

人間は、MUM効果を体験的に知っていますので、何も連絡がないと、悪いことが起こっているのではないかと不安になったり、心配になったりします。クレームを放置していると、本来の苦情の趣旨とは別に対応の悪さに顧客が怒り出すのはこの心理です。クレームが発生したら、その顧客と連絡を密に取るようにしなければ、顧客は対応の悪さに腹を立て、傷口を広げて問題が複雑化することになります。クレームにスピード感が必要なのはこの心理が働くためです。

また、この心理テクニックを使うと、相手の信頼を得ることが出来るようになります。使い方は、顧客の連絡に対して、たまに反応しないことです。顧客は心配になり、フラストレーションが溜まり、いっぱい、いっぱいになります。そういう時に、顧客に連絡すると、フラストレーションが一挙に吹き出し、安心感でいっぱいになります。この理由は、人間は、自分の考え方が正しいことを確認したいと考えています。ですから、自分が信頼した担当の営業マンも信頼したいのです。ところが、自分の連絡にリアクションしないことに怒りを感じるのですが、連絡があると、営業マンを信頼したことは間違いではなかったと考えます。

この心理を詐欺師は利用して、相手を信頼させることがあります。ですから、詐欺の被害者はなかなか自分が詐欺に遭っていることを認識しないことがあるのです。

 

 

最初に提示した価格に引きずられる「アンカー効果」

顧客に価格を提示するとき、初期値(アンカー)が判断に影響するという心理的効果のことです。例えば、広告に掲載している家電1万円の価格を見て、近くの店に行ったところ同じ機種が12,000円で売っていたとすると、やけに高いような気がして買う気も失ってしまいます。このように、最初に提示された情報が強い影響力を持ち、他の情報を判断する作用をもつことから係留効果ともいいます。

裁判の判事や土地鑑定士などの専門家でも初期値に引きずられることが実験的に明らかにされています。

また、このアンカー効果は、「第一印象」にも関連しています。笑顔の人は、「明るい人」「暖かい人」「優しい人」というプラスのイメージを作り上げます。そして、作り上げられたイメージがアンカーとなり、そのプラスのイメージが出来上がり、しかも、そのイメージは長い時間継続します。逆に、第一印象の悪い人は、「冷たいこと」「信用できない人というような」ネガティブなイメージが定着してしまい、なかなか回復することができなくなります。

 

 

良い褒め方と悪いほめ方「アンダーマイニング効果」 

私たちは、罰を与えられたことはしないようになります。反対に褒められたことはしたくなります。

こういった、賞罰によらずに、正義感のように自発的に頑張ろうとモチベーションの高い状態を内発的動機付けといい、褒賞などの外部から導かれたモチベーションの高い状態を外発的動機付けと言います。外発的動機付けを行うと賞罰を与えなければ、やる気が出なくなります。

子供に学習させる場合、おもちゃや菓子などの報酬を与える代わりに学習させると、おもちゃや菓子を与えなければ、学習しなくなります。これをアンダーマイニング効果と呼びます。

あまり頻繁に部下に奢ったりするとアンダーマイニング効果が働くことがありますので、考えものですが、言葉(褒め言葉など)による動機付けの場合は、アンダーマイニング効果は働きませんので、褒め言葉を上手に使うことでモチベーションを高めることができます。

 

 

6秒間で怒りを鎮める「アンガーマネジメント」

あなたは周囲の人の話にイライラしたことはありませんか?その相手がお客様であったとしたら、商談はうまくいくはずはありません。そのような時に使えるのが「アンガーマネジメント」です。

暴漢やクマなどに襲われたりした場合、戦うか逃げるかの二つに一つの対応をする必要がありません。このときアドレナリンというホルモンが分泌され、血圧や血糖値をアップさせ、戦いや逃げる準備をします。これが怒りの仕組みです。しかし、この緊張状態を維持するのは体に負担がかかりストレスとなります。ですから、戦いや逃走の後には、効果を抑える必要があります。そこで脳内物質(脳細胞と脳細胞の間のデータを運ぶ物質)のセロトニンが分泌されます。セロトニンはハッピーホルモンと呼ばれ、精神を安定させる効果があります。セロトニンの放出によって怒りは収まるということです。

テレビで行った公開実験では、怒りを感じでも6秒カウントすると、怒りが収まることを証明していました。顧客や部下の言葉に怒りがこみ上げてきた時には、6秒間カウントしてください。その他、深呼吸をすることやトイレに行くことで時間を稼げますので、怒りを鎮めます。

 

 

バカにできない第一印象「暗黙のパーソナリティ観」 

「外見で判断してはいけません」と言われますが、実は、人間は、外見や職業、出身地などで、相手の人格を判断してしまいます。これは意識を伴わずに過去の記憶・体験により自動的に仕分けしてしまうのです。一旦仕分けされると、訂正される事はあまりありません。それによってイメージが固定化されてしまいます。これを、「ラベル効果」と呼びます。なかなか、この状態から抜け出すのは大変なのです。例えば、最初に会った時に遅刻などすると「ルーズな奴」と仕分けされてしまいます。更に、お客様から、そういったネガティブな印象を持たれると何をしても前向きに受け取られることはないということです。情報提供しても信じてもらえず、提案を了解してもらうのも難しくなってしまいます。だから、こんな風になる前に、身だしなみや社会ルールには注意しておいた方が良いのです。

 

 

顧客の断りに反論せずに説得をする「イエス・バット法」

私たちは、自分の意見を受け入れてもらうと嬉しくなり、意見に反対されると不機嫌になるものです。反対意見を聞く耳を持つことは必要ですが、不機嫌になるのは感情ですから仕方ありません。お客様の反論に対しても、いきなり異論を唱えると、反射的に怒りの感情が沸き起こります。「イエス・バット法」は、これを防止するために、顧客の反論に異論を唱えるのではなく、一旦相手の意見に同意する方法です。こうすると、お客様は反射的に怒りの感情が沸き起こらずに、理性的に判断しやすくなります。お客様の反論を受け入れたあと、説得することで、お客様を理性的にさせる方法です。これで、顧客のプライドを傷つけることなく、こちらの主張を展開することができるようになります。

使用例としては次のようなものがあります。

顧客「これは高いなぁ」

自分「そうですね(yes)。でも(but)、生産性は2倍、耐久性も2倍です」

 

 

自分で出した結論には逆らえない「一貫性の原理」

人間には自分で出した結論には逆らえないという心理傾向があります。人は自分が一度決断した考え方や発言に固執して、同じ態度を貫こうという傾向があります。これが「一貫性の原理」です。

イソップ童話の「狼少年」では、「狼が来たぞ!」とふれまわる少年の叫び声に村人は大慌てになりました。少年は面白くなって何回も繰り返しました。このようなことが繰り返されると、本当に狼が来て、「狼が来たぞ!」とふれまわる少年の叫び声に村人は「また嘘をついている」ということになりました。このように、私たちは、嘘をついてはいけない、言動は一致していなければならないと教育されてきました。その結果、自分が一度決断した考え方や発言に固執して、同じ態度を貫こうという考え方が定着した結果だと考えられます。

 

禁止されるとしたくなる「ウェグナーのシロクマ実験」 

人間は不思議なもので、禁止されるほどそのことがしたくなります。例えば、「鶴の恩返し」では、「覗かないで」という鶴の願いに対して、若者は気になって、機織り場を覗いてしまいます。乙姫が禁止したにも関わらず、浦島太郎は玉手箱を開けてしまいます。アダムとイヴは神が禁止したにも関わらず、禁断の実のりんごを食べてしまいます。このように、洋の東西を問わず、禁止されたことをしたくなる心理が働くものです。

この心理について、アメリカの心理学者ウェグナーが行った実験をご紹介します。

被験者を3つのグループに分け、シロクマの50分ほどの映像を見せたあと、各グループに次のように指示しました。

グループ1 シロクマのことを覚えておくこと

グループ2 シロクマのことを考えても考えなくても良い

グループ3 シロクマのことは絶対に考えないこと

1年後、白熊の映像を克明に覚えていたのは、絶対に考えてはいけないと言われたグループ3の人たちでした。

部下を指導する場合、禁止項目が多過ぎるとこの心理が頭を出してくることがありますので要注意です。

 

同じグループの人を高く評価する「内集団びいき」 

私たちは自分の所属する集団を優れた集団であると考えたいと思っています。ここでいう集団とは、コミュニティやサークルなどのことです。

「内集団びいき」 とは、自分の所属しているグループ・成員の方がそれ以外のグループ・成員より好意的に考える傾向で、内集団とその成員をより高く評価し、そして優遇することです。

この心理を応用する分野としては、ユーザーの囲い込みがあります。自社ユーザーにはこの内集団びいきの心理状態(仲間意識)に置くことです。ただし、メールマガジンを送るだけではダメです。その記事や内容のレベルが高いことがこの心理を促進します。例えば、著名人やオピニオンリーダーの記事が定期的に載っていると、そのような人と同じ集団に帰属していることに満足感が得られます。

 

 

褒めることでモチベーションを高める「エンハンシング効果」 

人間は褒められると嬉しくてやる気を出すものです。部下のモチベーションを高める方法の一つに褒めることがあります。ですから、上手に部下を褒める必要があります。

自分が心から「頑張ろう」という気持ちになっていることを内発的動機づけ、外部から「報奨」を与えられることでやる気を出すことを外発的動機付けといいます。外発的動機付けでも賞賛(褒めることで)部下のモチベーションを高めることや顧客との信頼感を高めることができます。これがエンハンシング効果です。このように、人を褒めると、実力以上の力を引き出すことができるのです。また、カウンセリングやコーチングなどにおいて、称賛は重要なテクニックです。

ここで、アメリカの心理学者ハーロックによって行われた実験を紹介しましょう。小学生を①褒められるグループ②叱責されるグループ③放置されるグループの3つのグループに分けテストを続けて行いました。その結果、当初は②のグループの成績が良かったものの、①のグループが逆転することになりました。それだけ、褒める効果があるのです。

 

注意点

「おだて」は軽い軽蔑が含まれていますので、おだてないこと。

人格や容姿を褒められるのも嬉しいですが、プロセスや努力を褒めるとさらに効果的です。

他人の前で褒めることや人づてに褒めることは、さらに効果を強めます。 このテクニックを使う場合は、日頃から、部下の行動をウォッチングして良い点をストックしておく必要があります。

人を動かす魔法「オペラント条件付け」 

犬やオットセイに芸を仕込む時に、芸をした時にご褒美として、餌をあげます。そうすると、餌が欲しいために積極的に芸をするようになります。人間で言えば、以前、話題になった「ポケモンGO」があります。レアキャラをゲットすると楽しくて、考えられないほどの距離を歩いてしまうことがあります。また、学習で先生に褒められると、嬉しくて、また褒められたくなり、勉強するというプラスのサイクルが働くことがあります。このように、ある行動をして、感謝されたり、褒められるなど嬉しいことがあると、その行動を繰り返そうとする心理があります。このことをオペラント条件付けといいます。

現在では、動作や運転などの技能訓練、癖や不適応行動の改善、身体的・社会的リハビリなど幅広い領域で自覚的で洗練された応用がなされています。 ビジネスに使う場合は、ある好ましい行為に着目して部下を褒めること、顧客の感謝の言葉を伝えることです。これで、やる気がアップして、好ましい行為を繰り返すようになります。

 

 

相手の心を浄化する「カタルシス」 

「カタルシス」というのは、理由のない恐怖や不安、ストレスなど心の中に溜まった感情が、解放され気持ちがスッキリすることで、「心の浄化作用」のことです。

もともと、アリストテレスの非激論に書かれた「悲劇が感情を浄化する」という演劇用語です。涙が負の感情を浄化することをカタルシスと呼んでいました。

カウンセリングやコーチングでは、傾聴を行うことで、カタルシスに導きます。傾聴とは、相手の言葉に耳を傾けてしっかりと聞くことです。傾聴をすることで、相手は心の中のマイナス感情を言葉として吐き出すので、こころがスッキリするのです(「傾聴」の項をご参照)。

顧客や部下を傾聴でカタルシスに導いてあげましょう。心がすっきりさせる存在として、あなたは大切な人という評価を得ることでしょう。

 

 

禁止されると逆らいたくなる「カリギュラ効果」 

「勉強するまで、ゲームは禁止!」とお母さんから言われると、子供はゲームがしたくて仕方がなくなります。「カリギュラ効果」 とは、禁止されると余計に禁止された行為をしたくなる心理のことです。ローマ帝国のカリグラをモデルにした映画が、一部で上映中止となったことで、世の中の話題を引いたことでこのように呼ばれるようになりました。

この心理は、心理的リアクタンスが関係していると考えられます。心理的リアクタンスというのは、自分の自由が迫害されたと感じ、その結果、自由を取り戻そうとする行動として、説得方向とは逆の方向に態度を変えるというものです。例えば、ロミオとジュリエットは、恋愛を禁止されたことで二人の情熱は余計に燃え上がりました。これも同じ心理です。特に、これをロミオとジュリエット効果といいます。

その使い方としては、顧客の要求に全て応じることなく、一部拒否して、その後に要求に応じると有り難みが倍増します。

例えば、お客様から呼び出された場合、「その日は先約がありまして・・・」というと、ぜひ来て欲しいと考えるようになります。その後、「〇〇さんの依頼なら優先します」というとお客様は喜びは大きくなります。

 

 

たまに断ると欲望は強くなる「間欠強化」 

アメリカの心理学者スキナーはスキナーボックスという実験装置を作り、様々な実験をしました。この実験装置にマウスをいれ、マウスがレバーを押すと餌が出てくる仕組みです。

スキナーは、レバーを押せば必ず餌が出てくる装置Aと餌が時々出てくる装置Bで実験を行いました。その結果、たまにしか餌が貰えない装置Bの方に入れられたマウスの方が熱心にレバーを押し続けました。

確実に報酬がもらえるより、報酬がもらえる頻度が少ない方がある行為を何回も繰り返してしまうのです。これを間欠強化と言います。

例えば、パチンコですが、たまに大当たりするものですから、その快感が忘れられなくなり、パチンコがやめられなくなるのです。また、行列のできるラーメン店に行って、売り切れで食べられなかった場合、懲りずに足を運ぶ心理です。苦労して食べられるラーメンの味は格別です。

 

 

値下げは何回もすると有り難みが減る「感応度逓減性」

感応度逓減性の図をご覧ください。これは、行動経済学の「プロスペクトロ理論」の「感応度逓減性」のグラフです。縦軸はお客様が感じる価値、横軸がお客様の利得と損失を表しています。価値関数がS字型をしており、利得も損失もその値が小さいうちの方が勾配は大きくなっています。利得を2倍に増やしても、お客様が感じる価値は2倍になりません。例えば、商品の値下げは、最初、顧客は価値を感じますが、そのうち有難味がなくなってくるということです。つまり、新規項目は利得が小さくとも顧客は価値を感じるので、新しい提案を次々に打ち出すことの重要性を示しています。

 

 

 

気分が良い時に相手を肯定的に評価する「気分一致効果」 

良いことがあったときは、他人の話を聞き入れやすくなります。この心理が「気分一致効果」で、気分が良い時には、悪い時よりも相手を肯定的に評価するという心理効果です。

この心理を応用した「ランチョン・テクニック」です。人間は食事をしている時には気分が良いので、ランチの時に商談をしたり、愛の告白をすると相手から受け入れられやすいというテクニックのことです。

食べる時には、βエンドルフィンという神経伝達物質(「脳内ホルモン・神経伝達物質」の項をご参照ください)が分泌され気分が良くなります。βエンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、これが分泌されると脳に快楽を与えます。つまり、気分をよくするためにはβエンドルフィンを分泌させてやれば良いということになります。それは、どのようなときかと言いますと、好きなことをしている時、散歩など継続的な軽い運動をしているとき、アルコールを飲んだときなどがあります。

従って、顧客との商談には軽い継続的な運動であるゴルフが効果的だと言えるのです。また、接待でアルコールを飲むことが有効なのはこのような理由があるのです。

 

 

相手に共感することで好意を得られる「共感」 

相手が喜べば、こちらも喜びます。相手が怒れば、こちらも怒ります。このように、他者との喜怒哀楽の感情を共有することを共感といいます。感情を共有する状態は、意識より深い感情の部分も共有しているので、密接度が深くなります。そして、喜びの時も悲しみの時も感情を共有してくれる人は、夫婦や家族、親友に匹敵する大切な人です。

本来、人間には、相手の表情など喜怒哀楽の感情を理解する機能を持っています。話の文脈(ストーリー)で相手がどのような感情を持っているのかはわかります。相手の感情に対して、特に、感情の表れである表情で表現するのが、共感のテクニックです。

相手が喜んでいれば笑顔で「よかったですね」「すごいですね」と言葉でも賞賛しましょう。 相手が怒っていれば、眉間にシワを寄せて「ひどい話ですね」と表現します。

相手が落ち込んでいれば、困った顔で「落ち込んじゃいますね」とフォローします。

相手が楽しんでいれば、嬉しい顔で「楽しさ」を表現していきます。

また、次のような表現の仕方もあります。

顧客の贔屓のスポーツチーム、アーティストを知り、試合結果等の話で盛り上がることも、共感となります。顧客の贔屓のチームについての動向を把握しておきましょう。

 

 

話ベタな人も話し上手に「傾聴」

「雄弁は銀、沈黙は金」と言われるように、雄弁に語るより、黙って聞いている方が話し上手だと言われます。このように、相手の話をじっくり聞くことを傾聴といいます。ただ単にこれだけのことですが、非常に強い力を持っています。話を聞いてもらうと、発言とともに心の中のしこりを吐き出すことで、すっきりします。これがカタルシス(心の浄化作用)と呼ばれる心理効果です。話ベタな人でも話し上手になれるということです。

人間は気分の良い時に会った人には好意を持つ心理傾向があります。これを気分一致効果といいます(「気分一致効果」の項をご参照ください)。話を聞いてもらうとカタルシスで気分が良くなり、相手に好感を持つようになるということです。感情レベルでも共感していることを実感して信頼関係を構築します。 たとえ愚痴であっても、傾聴すればするほど好きになってくれると考え、顧客や部下の言葉に耳を傾けて下さい。

しかし、耳を傾けているだけでは、相手は語ることをやめてしまいます。カウンセリングには発言を促すテクニックがあり、これを使うのです。うなずき・相槌を打つことです。うなずくだけで発言は、5割も増えるという実験もあります。「なるほど」「それで?」など、うなずきや相槌を打つと相手はどんどん喋り始めます。

 

 

感情や心理に影響する「脳内ホルモン・神経伝達物質」

脳内ホルモン・神経伝達物質とは脳のシナプス(神経細胞)とシナプス(神経細胞)の間のデータを運ぶホルモン物質のことです。シナプス前細胞に神経伝達物質の合成・放出系があり、シナプス後細胞に神経伝達物質を受け取る受容体があります。

脳内ホルモン・神経伝達物質の効果は、精神を安定させるもの、快楽を感じさせるもの、食欲を抑制するもの等、多様で人間の心理や行動に大きな影響を及ぼします。その主なものを列挙します。

 

  1. セロトニン
  2. ハッピーホルモンとも呼ばれ、セロトニンが放出されると、満足感や満腹感を与える効果があります。また、精神を安定化させるので、ストレスや怒りを抑える神経伝達物質の切り札となります。セロトニンを分泌させるためには、朝日に当たること、リズム運動をすることなどがあります。うつ病などの改善薬として、セロトニンを効率的に使用する抗うつ剤があります。

 

  1. メラトニン
  2. セロトニンが変化した神経伝達物質で、良質な睡眠に導きます。睡眠が不十分な人は、午前中に、朝日に当たり、リズム運動をすることを習慣化してください。
  3. ノルアドレナリン 闘争と逃走のホルモンと呼ばれることがあります。敵を相手にして、脂肪をエネルギーに変えて、血圧や脈拍を増加させ、筋肉にエネルギーを供給して、逃走や闘争に備えます。ストレスホルモンのひとつです。
  4. エンドルフィン
  5. 脳内モルヒネとも呼ばれます。骨折をしても最初はあまり痛みを感じさせません。これは、エンドルフィンの鎮痛効果です。楽しいこと嬉しいことがあると、エンドルフィンが放出され、心地よさを感じさせます。
  6. ドーパミン
  7. 快楽ホルモンとも言われ、モチベーションや学習を促進しますので、部下の育成に関与します。また一方で、覚せい剤などの快楽を感じさせ癖になったものが依存症です。ニコチン依存症には、ドーパミンを利用した禁煙補助剤があり、喫煙衝動を抑えます。

 

 

一旦断る事で欲望が燃え上がる「ゲイン-ロス効果」

いつもデートの誘いにOKしてくれる彼女に「用事があるの」と断られるとがっかりします。しかし、そのあとすぐに「でも、あなたの頼みならいいわ」と言われると喜びは大きくなります。このように、最初は悪い情報があり、後から良い情報があると、喜びは何倍にも膨れ上がります。これをゲイン-ロス効果といいます。

その理由は、一旦断られたことで、被験者の独占欲を抑えなければならなくなります。その結果、フラストレーションがドンドン溜まっていく状態になったのです。そして、後から承諾され、あたかも、堰を切った水のように、一挙に喜びの感情が吹き出すのです。

顧客に対しても、このテクニックは有効です。顧客の申し出を一旦断り、その後承諾するのです。顧客の来訪の依頼に対して、「その時間は先約があるのですが・・・でも、〇〇さんを優先しましょう」というと、先約をキャンセルしてまでも自分を大切にしてくれていることに感謝されることでしょう。

 

 

善行を施すとそれが帰ってくる「互恵性」

世の中、いろいろな事件があって誰を信用すれば良いのかわからなくなっています。

しかし、「情けは他人のためならず」といいます。これは、「他の人に対する思いやりは、その人の為だけでなく、自分のためになる(自分に帰ってくる)」ということを表した言葉です。「因果応報」といいますが、良いことをすれば、良いことが帰ってきて、悪いことをすれば、悪いことが帰ってくるということで、今で言う「ブーメラン」ですね。世の中は、人々の相互協力状態で成り立っています。これを互恵性(ギブ・アンド・テイク)といい世界的調査が行われ、全世界のほとんどの文化において一般的な行動原理となっていることがわかりました。いわゆる性善説です。このことを悪用することが詐欺になるわけです。

 

商品の良さをアピールする方法「参照点依存性」 

 

自社商品を販売するときに、良い点を並べ立てて説明しがちですが、実は、顧客はその説明を理解していません。どういうことかというと、例えば、スーパーマーケットにリンゴを買いに行った時、買い物に慣れた人には「良いリンゴであるか、悪いリンゴであるか」がわかりますが、買い物に慣れていない人にはわかりません。そこで、他の果物屋さんに行ってリンゴをみると、スーパーマーケットのリンゴが良いリンゴ、安いリンゴであるかがわかります。これが参照点依存性です。

参照点依存性の図をご覧ください。これは、行動経済学の「プロスペクトロ理論」の「参照点依存性」のグラフです。参照点依存性とは、「価値は参照点(原点)からの変化またはそれとの比較で測られ、絶対的な水準が価値を決定するものではない。」ということです。要するに、顧客は、使用前と使用後や商品同士の比較で価値を感じるということ。つまり、営業や販売においては、顧客に商品の価値を理解してもらいたいならば、商品を比較しながら説明することが効果的だということになります。

例えば、広告をみてください。商品をよく見せたいために美辞麗句を並びたて、最上級の修飾語を使いたがりますが、これは誤りです。従来の商品との比較することで説得力があるのです。また、ダイエット関連広告では、「使用前、使用後」を比較することで、一目瞭然です。

 

 

信頼関係を深める「自己開示」 

友達や顧客の好意を得るための方法として、自己開示があります。自己開示とは、相手に自分に関するプライベートな話をすることです。

よほど親密な関係でなければ自己開示をすることはありません。自己開示を行うことは自分の弱みをさらけ出すことで、信頼できない人に自分の弱みをさらけ出すことはありません。自己開示が人の関係を親密にする理由ですが、まず、相手から自己開示されると、自分が信頼されているためだと感じます。信頼されることは自分が認められ、嬉しくなり、相手に好意を持ちます。また、好意を持てば、お返しをしたくなる心理の好意の返報性(「好意の返報性」の項をご参照ください)のおかげで、自分から自己開示することになります。このようにして、お互いに自己開示を繰り返すことで、親密性が増して行くのです。

従って、自分自身のプライベートなことを自己開示することは、ビジネスで有効です。仕事の話ばかりしていないで家族のことなどプライベートの話をしましょう。

 

 

 

人は大勢の人の行動・意見に従う「社会的証明」 

渋谷の歩道の上で、友達と一緒に上を見ながら空に向かって指をさす。そうすると、行き交う人は立ち止り、皆で空を眺めることになります。

このように、人間は他人の行動に強い影響を受けることがあります。

人は、集団の中で自分を支持する意見が全くないと、自己の意見の妥当性に疑問を感じ、意見を取り下げてしまいます。このように、大勢の人の意見が正しいと考える傾向があります。大勢の意見に従うことを「社会的証明の原理」といいます。他人の行動を参考にして自分の行動が適切かどうかを判断する傾向は、ほとんどの場合はうまく機能することを経験的に知っています。そのため、多くの人が行なっている行動を正しい行動だと考えることで、簡便に物事を判断することが人の頭脳の中に組み込まれているのです。この判断戦略をヒューリスティックといいます。

「社会的証明の原理」は、すでに応用されています。例えば、テレビCMでは、一般のユーザーが登場し、その商品がいかに優れているかを述べています。また、トップセールスたちは、商談のときに既存顧客の事例を織り交ぜて話すようにしています。

相手の承諾を得たいとき、社会的証明の原理を応用すると承諾を得やすくなることがあります。方法はいたって簡単です。他の多くの人々が、あなたから購入したことを証明すればよいのです。

雑誌広告で人気や実績をアピールするのも、テレビCMで消費者による証言を流すのも、トップセールスが既存顧客の事例を紹介するのも、「他の人はこの商品を選択しましたよ(社会的証明の原理)」というメッセージを伝えるために行なわれているのです。

多くの人は、他人の行動を参考にして何を買うかを決めているのです。「市場シェアNo.1」などの広告をよく見かけます。これも他人の行動を利用したものと考えられます。何かを買うときに、どのメーカーにしようか迷っている時に、比較サイトでトップのメーカーの商品を選んでしまう心理です。

人を受け入れる「受容」 

上司に自分の提案が受け入れられると嬉しくなります。また、自分を認めてくれた上司も高く評価することになるでしょう。

受容とは、相手の言葉や感情をありのままに受け入れることです。自分の考えが正しいかどうか、迷って心細い思いをしたことがありませんか? そのような時に、自分を支持してくれる人が現れたら、その人に感謝するとともに信頼するようになります。例えば、プレゼンの場で、自分の提案や説明に対して、否定的な意見や反対が多いと孤立して、心が折れそうになってしまいます。そういう中で、自分の意見を支持する人が出てくると嬉しくて心強くなり、好感を持つことになります。

人間は、他人から認められ、尊敬されたいと考える欲求である「自我の欲求」があります。また、人間には様々な欲求がありますが、その欲求を満足させてくれる人は、良き理解者だと考えて心を開き、何か問題があれば、相談してくれるようになります。人は他人から好意を受けると、お返しをしなければならないという意識を抱きます。好意には好意で返す心理を「好意の返報性」といいます。つまり、好意を示してくれたお返しに好意を持つということです。

まず、受容されていると顧客に理解させる必要があります。そのテクニックとしては、「それでいいと思います」「さすが」「いいね」など受容の言葉を使うことです。受容の言葉としては、顧客の発言や行動を受けいれて賞賛する言葉を使うことです。相手を大きな愛で包み込むように心がけてください。

 

例えば、

顧客「こうすれば、経費が10%節約できると思うのですが」

自分「それでいいと思いますよ」と受けることや「なるほど」と受けることです。

 

顧客「このようにすれば、集客は10%増加するということですね」

自分「「その通り」や「いいですね」などと受けることです。

 

 

信頼を深める魔法の言葉「称賛」

称賛とは、相手を認め、相手を褒めることです。褒め言葉は信頼を深める言葉です。「すごい」「頑張っているんですね」というように、お客様や会社の人々を褒めてください。人間には、他人から認められたい、尊敬されたいという欲求があります。この欲求を満足させると、相手は嬉しくなり、気分が良い時には相手に好意を持つという「気分一致効果」が働くようになります。好意に対しては好意で応えるという好意の返報性が働き、相手も褒め言葉で返してくるでしょう。ですから、まず自分から積極的に相手を褒めることです。このようにすれば、信頼を深めていくでしょう。

頑固者には権威者の力を借りる「信憑性=権威者の意見」 

誰の言葉にも耳を貸さない頑固な人でも、病気の時には、医師の指示に従うものです。

この心理を使えば、顧客を説得しやすくなります。人間を説得する大変効果的な方法として、心理学では、「専門家の意見」をあげています。専門家は多くの正しい知識を持ち、その結果として現在の地位にあります。ですから、何かに迷った時に専門家のアドバイスが非専門家によるアドバイスより適切であることを私たちは知っています。従って、専門家の主張は非専門家の主張より受け入れられます。

「専門家の意見」とは、オピニオンリーダー・その道の権威者が、例えば、自社の商品を評価すれば、説得力が増大するでしょう。営業マンが百の言葉を使って流暢に説得するよりその道の権威の一言には説得力があります。

CMのキャラクターやマスコミ報道にもこの効果は期待できます。営業マンの言葉は、「自分の都合のよいことを言っている」と捉われがちです。また、マスコミ報道は、第三者が公平な立場で評価するため、効果があると考えられます。テレビで紹介されたラーメン屋さんが大繁盛することがあります。ですから、顧客を説得するときに、自社の掲載された記事を持っていくことで説得力を上げることができるのです。また、「〇〇博士はこのように言っています。・・・」や「〇〇理論によりますと、・・・」といった使い方があります。

 

 

人は制限されることを嫌う「心理的リアクタンス」

デパートの福袋に群がる姿がテレビで放映されることがあります。また、日本だけでなく、アメリカでもクリスマス商戦のブラックフライデーで開店を待つ人々の姿が放映されています。このような商品に群がる心理はどこから来るのでしょうか?これは、人間の購入意欲が促進された結果です。これには、心理的リアクタンスが関係していると考えられます。心理的リアクタンスは、高圧的な説得を受けると被説得者は自分の自由が迫害されたと感じ、その結果、自由を取り戻そうとする行動として、説得方向とは逆の方向に態度を変えるというものです。デパートの福袋は数量限定ですから、売り切れになるかもしれません。ブラックフライデーでも目的の商品を手に入れられないかもしれません。数量限定により購入の自由が侵害されることにより、「早くしなければ、商品がなくなる」という焦りの心理が働きます。商品が品薄になることを希少性と言いますが、この場合競争状態にあることでこの効果はさらに促進されます。 広告に見られる「限定○○名様」「本日限り」はこの応用です。

 

 

説得するためには数値を使う「数値の説得力」 

数値データを根拠として見せられると、頭から信じ込んでしまい、反論する気すら起きなくなる人がほとんどでしょう。数値を検証するためには時間がかかり面倒です。また、数値は計算から導かれるので答えは一つです。ですから、数字には、誤りはないという思い込みが働きます。

また、100回の言葉による説明より、数値で示したほうが「ピン」ときます。

次の文章を比較してください。

A「この製品は、従来品と比べ、高い生産性と耐久性を実現しました」

B「この製品は、従来品と比べ、生産性2倍、2倍の耐久性を実現しました」

Aは生産性と耐久性がどのくらい高くなったのかがわかりません。Bの方はすぐにピンときます。特に、グラフを使うと視覚に訴えることができます。

調査や実験結果などを利用して、数値やグラフを使用すると説得力を高めることができます。

 

 

マイナス思考を排除する「思考停止法・ストップ法」

みなさんは、マイナス思考に囚われて、いつまでも頭の中をぐるぐる回って、忘れようと考えれば考えるほど、忘れられないことがありませんか?

これらの状態を改善する方法として、「思考停止法(ストップ法)」があります。もともと心理療法であり、強迫性障害などの治療に使用される心理療法で、頭の中で自動的に思い浮かんでくる不快で否定的なイメージをコントロールしようとする技法です。

思考停止法の原理は「良い考え方や行為は行うようにして、マイナスな思考や行為は停止する」ということです。

このテクニックの身につけ方をご紹介します。

 

例えば、「過去の失敗を恥ずかしく思えて仕方がない」という思考にとらわれているとします。

1、  時間を計る時計やスマホなどを用意してください

2、  次に、どうしても忘れられないマイナス思考のことを徹底的に考えてください

3、  そして、3分が経過したら、「ストップ」と言いながら、立ち上がることや、手を挙げること など、何かの行動を一緒に行ってください。

4、  こうすると、マイナス思考がしぼんでいくことを確認してください。

これを数回繰り返すと、声に出さずに、心の中で「ストップ」というだけで、マイナス思考は収まるようになるでしょう。

 

 

ストレス解消法「ストレスコーピングレパートリー」 

ストレスと上手に付き合っていくことをストレスコーピングといいます。一番身近なストレスコーピングが食べることなのですが、食べることだけに頼ると肥満になってしまいます。

ストレスコーピングには、色々なものがあり、自分の手持ちのストレスコーピングを、「コーピングレパートリー」と言います。コーピングレパートリーをたくさん身につけているほど、様々なストレスに対しても適切にコーピングを使うことで、そのストレスを乗り切ることができるのです。

その例としては、次のようなものがあります。

 

◎ストレス源を改善する 人間関係であれば直接交渉すること。多忙がストレスならスケジュールを立てることがおすすめです。そして、ストレス源が仕事や勉強であれば、仕事や勉強打ち込むこと。

 

◎心理的解消法 相談、雑談、ガールズトーク、井戸端会議、アフター5などで、話を聞いてもらうと心がすっきりして、こころが浄化(カタルシスといいます)されます。 また、適度な休息・睡眠をとること、創作活動、ボランティア活動に取り組むこともストレスを解消します。 その他、読書や日記を書く事がストレスを解消するという研究結果もあります。

 

◎神経伝達物質、脳内ホルモン 神経伝達物質のセロトニンやエンドルフィンを放出させる 日光を浴びることや、運動をすると、セロトニンが放出され不安定な精神状態を安定させます。また、適度のアルコールの摂取や趣味など好きなことをすると、エンドルフィンが放出され気分を高めます。

 

◎運動 ウォーキングなどの有酸素運動をすると神経伝達物質のセロトニンやドーパミンが分泌され、気持ちが安定します。また、運動はストレス耐性を高めることになることが明らかになっています。

 

 

人は損失を極端に嫌う「損失回避性」 

次のグラフをご覧ください。これは、行動経済学の「プロスペクトロ理論」の「損失回避性」のグラフです。横軸のa点はお客の利得を示します。-aはお客の損失を示します。その金額は同額です。a点の時にお客様が感じる価値はbです。これに対して、-a損失に対する顧客の感じ方は2.25bに対応します。その計測結果では、利得の2.25倍強くてダメージを受けることを示しています。例えば、10,000円の損失に伴う心理的ダメージは22,500円の利益に匹敵するということです。被害を受けた顧客心理的ダメージは非常に大きいことがわかります。

 

 

 

態度が同じ方が好きになる「態度の類似性」 

イギリスのタブロイド紙の「デイリー・メール」は、上司と同じような服装をすると出世しやすくなるという報道をしました。「68%の上司が、同じような服装をしている部下に対して好意的になる」というものです。

これには「態度の類似性」と言われる心理が関わっていると考えられます。人間は、態度や意見が似ている点が多いほど、好意も大きくなるということです。 では、なぜ態度が似ていると好意に結びつくのでしょうか? 私たちには、自分の考え方や意見などを認めて欲しい、尊敬されたいという「自我欲求」という欲求があります。また、正しいということを確認したいという欲求があります。他の人の意見が自分の意見に一致したり、同意してくれたりした場合、自分の意見が正しいと判断しています。このように、判断の健全さ、趣味の良さなどが 確認できることで、欲求が満たされると充足感や幸福感が得られます。そして、このように気分が良いと相手が好きになるという「気分一致効果」が働き、相手を好きになるということです。簡単に言えば、自分を喜ばせてくれる人を好きになる心理です。顧客と態度を合わせるようにすると、好感度が高まります。

 

 

信頼関係を構築する最も効果的な方法「タッチング」

アメリカの心理学者S・M・ジェラートは聞き手がどのような対応をした時に相手がプライベートな事柄について親しく語るかという実験を行いました。被験者を次の4つのパターンに分けて聞き手の対応を変え相手の発言の状況を観察しました。

A、相手の話に対して、うなずきや合いの手を入れる。B、椅子に座るときに相手に軽くタッチして、相手の話にうなずきや合いの手を入れる。C、自分のプライベートなことを先に話し、相手の話にうなずきや合いの手を入れる。D、椅子に座るときに相手に軽くタッチして、自分のプライベートなことを先に話す。

その結果、「D」の時に相手が自分自身について、親しく語ることがわかりました。相手の信頼を獲得して仲良くなるためには、「相手に軽く触れる」「自分のことを先に話す」ことだということがわかります。

タッチングは、類人猿が行う「グルーミング」が原点で、リラックス傾向を示す脳波のアルファ波が増加します。これによって、タッチングは精神の安定に寄与するということが明らかになっており、タッチングが対人対応のストレス軽減に効果的であることを証明しています。握手やハグがタッチングに当たりますが、日本のビジネス界では馴染みがありません。お酒を飲んだ時、書類の受け渡し、糸くずなどをとってあげること、お金のやりとりの時などがタッチングのチャンスです。

ちなみに、「合いの手を入れること」や「自分のプライベートなことを話すこと」は、相手の会話を促進するテクニックでもあります。

 

 

何回も会うと好意を持つようになる「単純接触仮説」 

「単純接触仮説」 とは、会う回数が多ければ多いほど相手への好感度が増す、というもので、社会心理学者ザイアンスの実験から導かれましたので、ザイアンス効果とも呼ばれます。初めて会った人には警戒心が働きますよね。このように、人は初めて出会った人に対して警戒心から、不安感や嫌悪感を抱く傾向があります。繰り返し接することによって、相手の性格への理解が進むことで、不安感や嫌悪感が減少し、結果として好意的になると説明しています。

顔を合わせる回数を重ねるほど好意が得られやすいというものですから、営業マンとすれば、極力顧客と顔を合わせるようにすべきだということです。また、報道や広告でも効果があるといわれ、電話や手紙でもこの効果が得られます。

 

 

多数意見には逆らえない「同調」 

例えば、ある会合に出席して、あなたの周りの人々があなたと違う意見を口々にした場合、あなたはその圧力に耐えられますか? 最後まで自分の主張を貫くことができますか? これが難しい理由として、「同調」という心理が働きます。

「同調」とは個人が集団や他者の影響によって行動や考え方を変化させることです。心理学者のアッシュは、集団圧力における同調行動の研究をしました。

同調にはいくつかの種類があります。他人やグループの判断を「正しい」と思わないままに、他人やグループの判断に合わせて同調する場合を「追従」といいます。また、ある人を尊敬し、高く評価しているとき、その人と同じでありたいという気持ちから、自分の考え方や行動が変化していく場合の同調があります。この同調は、より適切な判断や行動を取りたいという意識から、他者の持つ情報を参考にしたり用いたりすることから、情報的影響ともよばれます。

 

 

一旦発言させてしまえばこちらのもの「認知的不協和」

「認知的不協和」とは、自身の中で矛盾する考えを抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す心理学用語です。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されました。 人は矛盾を解消するために、自身の態度や行動を変更するとしています。これを態度変容と呼びます。例えば、「私は、Aメーカーの〇〇しか食べない」というように決めていた人が、友達に「Bメーカーのこれを食べてみて」と言われ食べたとき、友達から「どうだった?」と聞かれ、「美味しかった」と答えたとき、Bも美味しいと考えざるを得なくなります。このように、他社ユーザーに自社の商品を高く評価させてしまうことができれば、認知的不協和状態になりますので、態度変容のチャンス到来です。

競争が厳しさを増す現在、シェアを増やすためには他社ユーザーを攻略する必要があります。他社商品のユーザーなどの態度をいかに変えるかが問題ですよね。

 

 

「あなただけ」で落とす「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」 

人間は特別扱いされると、得をしたようで嬉しくなります。「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」 は、「あなただけ」と特別扱いをして、相手を良い気分にさせて商談をクロージングに持ち込む心理テクニックです。この裏にある心理としては、プライドを満足させてくれて満足する心理であり、人間は、欲求を満足させてくれると喜び、その相手に好意を抱きます。そして、欲求を満足させてくれたお返しに契約するということになります。これを好意の返報性(「好意の返報性」の項をご参照ください)といいます。

例えば、人間は大雪の時には外に出たくないものですが、大雪の中、顧客を訪問すると、その苦労に感動さえしてくれます。このテクニックを身につければ、相手の心をわしづかみにすることができます。

 

言葉尻で好感度アップ「バックトラック」 

相手の言葉を繰り返すことで、相手を理解しようと努力していることや熱意を伝えるテクニックです。共感や受容をしている事を分かってもらうことができます。

「行ったのですか?」「遅かったのですか?」このように相手の言葉尻を繰り返すことです。人間には自我欲求という常に自分が認められていたい、評価されたいという欲求があります。バックトラックは言葉を繰り返すことで承認してもらったものと感じるのです。自分を理解してもらえる人は自分の仲間です。従って好感度が高くなるのです。

また、話を聞いてもらうことによって、充足感から、さらに話をしようというモチベーションが高まり、どんどん話が広がります。

このようになれば、相手はあなたを不可欠な仲間として信頼するようになるでしょう。

使い方は

顧客「昨夜は、仕事が忙しくて終電車だったよ」

営業マン「終電車だったんですか?」

という具合です。

有名人は非の打ち所がないと考える心理「ハロー効果」 

テレビを見ていても、コメンテーターが専門分野以外のコメントを述べていますが、専門外なのに説得力があります。私たちは、権威のある人やタレント、ブランドなどはひとつの非も無く素晴らしい人だと考えてしまいがちです。「ハロー効果」 とは、このように、ある対象を評価するときに顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が影響を受ける現象のことです。例えば、広告があります。キャラクター(タレント)の持つ良いイメージが、会社や商品に広がります。ただし、この場合、キャラクターに不祥事が起こることになれば、逆効果になってしまいます。

 

 

考えない方策「ヒューリスティック」

ヒューリスティックとは、人が問題解決等のための意思決定を行う際に、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則のことを指します。人間の脳は思考する時に多くのエネルギーを必要とします。ですから、極力思考せずに効果が得られる省エネ戦略をとります。これがヒューリスティックです。

例えば、物事を判断する場合、私たちは専門家の意見に従うと失敗が少なくなることを知っています。これは、専門家は色々なことを経験しているので、自分で考察するより、専門家の判断は間違いないという心理が働くからです。テレビコマーシャルで医師が出演する例がこれです。オピニオンリーダーが自社の話をしてくれればフォローの風が吹きます。

また、大勢の人の行動や意見に同調する心理があります。多くの商品で一般の人が出演してその商品を褒めちぎるコマーシャルがあります。褒める人が多いほど同調せざるを得ない心理を利用しています。「多くの人が利用しているので間違いない」と考えるのです。多くの人が支持する商品は良い商品だと考えるようになるからです。

最後に、希少性ですが、米の不作のときには米が、オイルショックの時にはトイレットペーパー、たまごっちの在庫不足になった時に、これらの商品を手に入れるためにパニックになりました。人間は、商品を手に入れる自由を奪われたために、その自由を回復するための行動だと考えられています(「心理的リアクタンス」の項をご参照ください)。

ヒューリスティックは、意識を伴わず、いわば深層心理に働きかけますので、効果が大きいのでお勧めです。

 

 

承諾率を引き上げる「フットインザドアテクニック」 

「フットインザドアテクニック」とは、大きな承諾も受け入れやすくするため、前もって、簡単なことを依頼して承諾させておくテクニックです。

心理学者のフリードマンとフレーザーがこの実験を行いました。庭に「交通安全」の看板を設置させてくれるように依頼をしましたが、承諾されたのは17%となりました。これに対して、「どこでも良いので、この小さな交通安全のステッカーを貼って欲しいと」依頼しましたが、ほとんどの人がOKしました。その後、事前に小さな承諾を得てから大きな依頼をした場合に、庭に「交通安全」の看板を設置させてくれるように依頼をしましたが、承諾をしたのは55%となりました。これは、「交通安全」に協力しているという自負の心理が働いたと言えます(「一貫性の原理」の項をご参照ください)。

商談するときに、いきなり購入を勧めるより、「説明だけでも聞いてください」という小さな承諾を得ておくと購買の確率は高くなるということです。

信頼感を得る「ペーシング」

NLP(神経言語プログラミング・実践的コミュニケーション心理学)によると、人間関係を作るために、重要視するのがラポール(信頼関係)です。ラポールを実現するためのテクニックがペーシングであり、相手の仕草や行動を真似るミラーリングと相手の発言を繰り返すバックトラックがあります。

ペーシングの心理学的裏付けとしては、「態度の類似性」という理論があります。「態度の類似性」とは、自分の態度や発言が似ているほど好意を感じ、信頼感をもつという理論です(「態度の類似性」の項をご参照ください)。

まず、相手の仕草を真似るミラーリングですが、相手がお茶を飲めば自分も飲む、相手が腕を組めば自分も腕を組むというように相手の仕草を真似ることです。

また、相手の発言を繰り返すバックトラックというテクニックですが、オウム返しのように相手の発言を繰り返すテクニックです。

次のようなやり取りがバックトラックの例です。

相手:「今日、寝坊しちゃって」

自分:「寝坊しちゃったんですか?」

 

 

好いてもらいたければ、好きになる「好意の返報性」 

リピーターを増やす、顧客のロイヤリティを向上させる、ブランドアップする、顧客満足度を高めるこれを実現するためにどうするのか?多くの営業関係者が悩むところでしょうが、この悩みについて一挙に解決する方法があります。

人は他人から何らかの好意を受けると、お返しをしなければならないという意識を抱きます。こうした心理を「好意の返報性」といいますが、この心理を使うのです。お客様が喜ぶことをするわけです。お客様が喜べば、「好意の返報性」が働き、リピーターとなり、顧客のロイヤリティが向上し、ブランドアップすることや顧客満足度を高めることができるというわけです。お客様が喜ぶことをすることをカスタマ・ディライトと言いますが、徹底的にお客様のためになることを実行するのです。これには、提案営業や情報提供、アドバイスなどがあります。ライバル会社の営業レベルでは、お客様は喜びません。それ以上の営業活動が求められます。

 

 

顧客の欲求を知る「欲求5段解説」 

人間関係で注意すべきなのが自我の欲求(プライド)です。これを知らないと、知らず知らずのうちに相手のプライドを傷つけて、痛い目に会うことがあります。

ブラハム・マズロー(1908-1970)は欲求を5段階に分け、人はそれぞれ下位の欲求が満たされると、その上の欲求が起こるという欲求5段階説を唱えました。欲求5段階説によると、人間の欲求の段階は,生理的欲求,安全の欲求,親和の欲求,自我の欲求,自己実現の欲求だとしています。生理的欲求と安全の欲求は、人間が生きる上での衣食住や安全といった根本的な欲求、親和の欲求とは、他人と関りたい、他者と同じようにしたいなどの集団帰属の欲求で、自我の欲求とは、自分が価値ある存在と認められ、尊敬されたいと願う欲求のことです。そして、自己実現の欲求とは,自分の能力を発揮し、創造的活動に取り組み、自己の成長を図りたいと思う欲求のことです。

従業員意識調査分析を行い、働く理由を調査しましたが、一番多かったのが「やりがい」で、これは自我欲求の強さを示唆しています。また、経営者を対象としたアンケートを行いましたが、その結果、欲求として抽出されたのが、「自我欲求」でした。現代の日本人にとって自我欲求の強さを示唆しています。

このように、人間関係で一番注意しなければならないのが、「自我欲求」であり、上手に使うとお客様の好意や信頼を得ることができます。

 

 

不安な時に人心はまとまりやすい「親和要求の増加」 

Sシャクターは不安や恐怖があるときに親密になりやすいことを明らかにしました。その理由を「①他人に話しかけることで緊張や不安を軽くできること。②他人と話し合うことで何が起こるかを推測できること。③互いに慰め勇気づけられること。④他人の行動を参考にできること」としています。

カルト宗教で、大衆を先導するときに恐怖や不安を煽ることがありますが、親和要求を刺激するものだと考えられます。また、揺れて恐怖を感じる吊り橋を二人で渡ると、お互いに好感を持つという実験があります。これを、吊り橋効果といいます。同様に、暗闇では不安を感じて男女は仲良くなるという実験があります。究極は戦友です。戦争では、不安や恐怖が極限に達します。その結果、結びつきが極まるのです。このように、不安や恐怖があると、人はまとまりやすくなります。

 

 

お願い事はランチの時に「ランチョン・テクニック」 

心理学者のグレゴリー・ラズランが研究し、ランチョン・テクニックを明らかにしました。これは、飲食をしながら相手と交渉する手法で、簡単にいうと、食事中に聞いた話しや、その時にいた人のことを好きになることです。

ビジネスの世界や政界でも接待の場で会食が行われています。このテクニックが使われることが多いのは、その効果が十分に認識されているからです。

食べることは快楽ホルモンと呼ばれる神経伝達物質のβエンドルフィンが分泌され楽しくなります(「神経伝達物質」の項をご参照ください)。そして、料理や雰囲気を楽しみたいという思いから食事中は対立を避けようとするため、要望が受け入れられる確率が上がるというわけです。おいしいものを食べると、βエンドルフィンの効果で心地よい感情が生まれます。食事中に聞いた話は、食事の時の心地よさと結びついて記憶します。これを「連合の原理」といいます。おいしい食事をしていたときの記憶を思い出すと、心地よい体験がよみがえるので、そのときの話題や話し相手に対する好意度が高まるというわけです。 また、食事をしたりアルコールが入るとβエンドルフィンが分泌されます。これにより、快楽を感じるのです。その快楽を共感した記憶が残り、食事を共にした相手を好きになるということです。

 

 

相手のウィークポイントをストロングポイントに変える「リフレーミング」

NLP(神経言語プログラミング)に「リフレーミング」というテクニックがあります。相手がウィークポイントであると考えていることも、見方を変えるとストロングポイントに変わります。フレーミングというのは「枠」のことで、考え方という意味です。「リ」は再びという意味ですから、「再度考える」、「考え方を見直す」という意味です。

例えば、太り気味の人に「頼りがいがある」と言ってあげる。太っていることを気にしている人にとっては、欠点を長所だとリフレーミングされることになり、喜びも大きくなります。喜ばせてくれる人は、大切なので信頼してくれるようになります。

興奮しやすい人には「正義感が強いひと」「熱心な人」

落ち着きがない人には「時間を大切にする人」

飽きっぽい人には「様々なことにチャレンジする人」

という具合です。顧客が短所で悩んでいるときはチャンスです。リフレーミングして、信頼関係を深めましょう。

 

 

厳しい条件も承諾させる「ロー・ボール・テクニック」

「ロー・ボール・テクニック」とは、最初に提示するときに好条件を出して承諾を得てから、不利な条件を付ける方法。承諾先取要請法とも呼ばれます。

良い条件なら、相手も積極的に購入を検討してくれます。そうすると、普段なら断られる厳しい条件も承諾されやすいという心理傾向を利用したものです。相手が認めやすい提案をして、それに承諾したら次々とオプションを要求していく方法です。

例えば、中古住宅を購入したいと考えていたところに、理想の間取りの家が格安で売られていたとします。

「この中古住宅は、随分安くなっていますね?」

「特別価格ですよ。これだけ安い掘り出し物はありませんよ」

そこで、契約をしたいと申し出たところ、

「外壁の耐用期間が経過しています。直したほうがいいですよ」

と言われましたが、一回購入を決めてしまっているので、「この金額なので仕方がないか」と受け入れてしまうことがあります。

 

 

人間とは、様々な心理があり、理性が関与せずに判断や行動をしていることがお分かりになると思います。これを営業活動に利用すると、今までにない効果的な戦略を構築して、顧客対応も効果的になってくるはずです。そして、営業に求められる成果の達成がみえてくるはずです。

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