ストレスマネジメント 3/3

1 上司・同僚の対応

部下や同僚が思い悩んでいる時、ストレスを軽減する良い方法があります。それが「傾聴」というカウンセリングテクニックです。

 

目次

1-1 傾聴の実験

リーダーによる部下への傾聴が及ぼす効果に関する研究塚元千恵美広島大学大学院総合科 学研究科)

問題と目的

近年、職場のメンタルヘルスは、大きな経営課題となっています。従業員個人の問題として捉えるだけでなく、企業全体として対策していかなければならないという考え方が一般化しました。

そして、職場のメンタルヘルス対策として、「傾聴訓練」を取り入れる企業も増えています。しかし、その効果は未知数です。そこで、傾聴訓練を短期的に連続して積み上げることの有効性を検証した研究発表があります。

 

1-1-1 傾聴の直接効果とストレス緩衝効果

傾聴とは、心理学者のカール・ロジャースが提唱した「来談者中心療法」という心理療法の中で、考案されたカウンセリングテクニックで、現代のカウンセリングやコーチングの基礎となるテクニックです。話を聴くということを通じて、相手の心理的な悩みや問題の解決に役立てようとする聴き方です。

聴き手が、受容・共感・自己一致の態度をもって話し手の話を傾聴していくと、話し手は、 自分の問題点を整理し気づき、成長する方向に動き出すことができる。このような態度や技術を習得し傾聴できるようになるための方法を積極的傾聴法(傾聴法)といいます。

「傾聴の効果」 話し手と聴き手の信頼効果が強まる「カタルシス効果(心の浄化作用)」

「バディ効果」 孤立感から開放される

「アウェアネス効果」

気づきを促進する効果

リーダーがカウンセリング・マインド(人間尊重の気持ち)を持って部下の話を傾聴すれば、これらの「傾聴の効果」が発揮され、部下のストレス低減が図れると考えられます。傾聴によるストレス低減効果を考える上で、もう一つ重要な示唆を与えるのが「ソーシャル・サポート」研究です。ソーシャル・サポートとは、様々な悩みを抱えている個人に対して、周囲の人から与えられる支援のことです。日常的な対人関係にサポートがあると、ストレスのある出来事があっても、ダメージを緩和します。このような効果を「サポートのストレス緩衝効果」といいます。このことから、リーダーによる部下への傾聴は、部下へのサポートに利用できるのではないかと考えられます。

 

1-1-2 研 究

①      目的  リーダーによる部下への傾聴が及ぼす部下のストレス低減効果。

②      対象者  自動車販売会社のリーダー35 名、部下125名が対象(男性100名・女性25名、20〜30代が76%、営業38.4%・サービス40%・事務]7.6%)

③      手続き  先ず、部下に対しアンケートを実施した。並行してリーダーには、「3時間コース」の傾聴訓練を受講してもらい、訓練後直属の部下一人ひとりに対し聴を意識して面 を行うよう求めた。面接後、再度部下に対しアンケートを実施した 。なお、リーダーと部 下の組み合わせは終始同じとした。期間は2007年/1月〜12月の1ヵ月半である 。

④      結果  傾聴スキルの質が高いと判断されたリーダー群に面接を受けた部下に限り面接後、ストレス反応に対する有意な低下(合計29)が認められた。また、面接後、リーダーとの信頼関係が深まったと回答する部下の割合が多く、傾聴の直接効果が発揮されたと考察できた。あわせて、サポートでも面接後に有意な上昇が15項目中6項目で認められ、傾聴の緩衝効果が発揮されたと考察できた。しかし、傾聴スキルの質が低いと判断されたリーダーに面接を受けた部下では、面接後、ストレス反応は上昇し逆効果になってしまう 可能性も指摘できた。

 

1-2 「傾聴」のテクニック

カウンセリングの中心になるのが「傾聴」です。相談者(部下)の話に耳を傾けて、じっくり聞くことを傾聴といいます。例えば、飲み会での上司の悪口やガールズトーク、雑談、井戸端会議などで話をするとすっきりします。これはカタルシス(心の浄化作用)と呼ばれる心理効果が働いたからです。心の中に溜まったストレスや落ち込んだにネガティブな気分が、言葉として一挙に吐き出されますので心の中がスッキリするのです。また、これはウィークポイントやネガティブな話をすることで気持ちを相手にさらけ出すことになりますので、部下はは心を開かざるを得なくなります。これに加え、人間には、「自我の欲求(※)」があり、じっくりと話を聞くことで、部下は自分の意見・発言を認めてくれたと考えるようにします。部下は、「上司が自分を認めてくれた」と喜ぶことでしょう。このようにして、信頼を深め仲良くなれるのです。

また、私たちは気分が高揚した時には相手を好意的に受け入れます。この心理を気分一致効果)といいます。部下はあなたに話を聞いてもらうと気分が良くなり、信頼感を持つようになるのです。

しかし、ただ単に相手の話を聴いているだけでは、相手の発言は一分もしないうちに止まってしまいます。部下が黙り込んでいては、傾聴はできません。そのため、カウンセリングでは「うなずくことや相槌」というテクニックを使います。うなずき、相槌を打つことで、発言を促すテクニックです。「なるほど」「それで?」「うん」など、うなずきや相槌を打つと部下はどんどん喋り始めます。自分は聞き役に徹して傾聴を試してみてください。効果十分の方法です。

 

 

1-3 そのまま相手を受け入れる「受容」

話し相手に自分を受け入れてもらうと嬉しいものです。この心理を利用して、相手の言葉や感情などを、受け入れることを受容といいます。人は、「自分が正しいことを確認したい」という欲求を持っています(自我の欲求)。これに対して、「いまのままのあなたがいい。」というように部下を肯定し受け入れる返事をすると嬉しくなります。「自分が正しい」ことを確認できて、自我の欲求が満足するのです。そして、気分が良くなることから、前出の「気分一致効果」の心理が働き、部下は、あなたを信頼することになります。

それと、人は他人から何らかの好意を受けると、好意でお返しをする心理があります。これを「好意の返報性」といいます。やさしい気持ちで部下を受け入れると、部下もやさしい気持ちで接してくれ、受け入れられるようになるということで、ドンドン信頼されるようになっていくのです。相手を大きな愛で包み込むように心がけることで、部下も受け入れやすくなります。

 

「受容」の会話としては、次のようなものがあります。

部下「お客様と考え方が違います」

あなた「君の考え方でいいと思う。変えなくていい」

 

 

1-4 感情を共有する「共感」

「共感」とは部下の感情に寄り添って理解することです。いわば、同じ感情を共有することですが、余程関係が密接でない限り、感情を共有することはありません。また、無意識レベルで行われるため簡単ではありません。しかし、深層心理レベルなので影響力も大きくなります。

私たちは、自分の努力を認めて欲しいものです。部下が落ち込んでいる時には、「それは大変だったね」「そうなんだ、気持ちはわかるよ」と声をかけてください。また、良いことがあったら「すごい!」「やった!」と声掛けをしましょう。このように、相手の気持ちを読み取って、相手の気持ち応じた声をかけるようにします。これが共感するテクニックです。部下はあなたの気持ちを感じることでしょう。

この声掛けに加えて、表情で共感を表わすと更に効果的です。部下が落ち込んでいる時には困った表情で部下の話を聞いて、「それは大変だったね」「そうなんだ、気持ちはわかるよ」と声をかけます。部下が喜んでいたら、笑顔で話を聞き、「よかったね」「いいね!」「さすがだね」と声をかけると更に部下と心を通わせることができます。気持ちを大きく持って、部下をやり込めようと考えず、育成するという心構えで望むことが重要です。

こうすれば、共感が実現できます。これが部下と感情を共有するテクニックです。

 

 

1-5 部下の行動と思考を変える「称賛・感謝・ねぎらい」

褒められると誰でも嬉しいものです。称賛とは、部下を認め、部下を褒めることです。褒めれば、部下は嬉しくなります。人間は、嬉しいこと(快)求め、不快なことを回避します。従って、部下」はあなたと一緒に仕事をしたいたいと考えるようになるはずです。

褒め方としては、「すごい」「頑張ってるんだ」というように、「気になる人」を褒めてください。

ぶかは、褒められたことに感謝して、褒め言葉のお返しが期待できます(返報性の原理)。上司の依頼があった時に、「上司のために頑張ろう」という気持ちになって仕事に励むことでしょう。ですから、まず自分から積極的に部下を褒めることです。

部下の行動に対して、感謝の表現をすることやねぎらいの言葉はモチベーションを高める魔法の言葉です。何かをしてくれた場合に、必ず「どうも、ありがとう」「うれしい」などの感謝やねぎらいの言葉をかけてください。例えば、「報・連・相」ができていない部下に対して、「報・連・相」をしてきた時に、感謝やねぎらいの言葉をかけましょう。そうすると、部下も「報・連・相」をすると上司が喜ぶことを理解して、また「報・連・相」をしようという気持ちが沸いてきます。

 

1-6 発言を促す相槌のテクニックの例

部下の発言を促す相槌の例を示します。

  1. 「うん」「ほー」「なるほど」など同意を示す相槌 「うん」「ほー」「なるほど」など同意を示す相槌です。同意されれば話し手は受け入れられたことを感じて、上司が評価してくれていることを感じ、安心して会話の量が多くなります。逆に否定されると話す意欲は減少してしまいます。
  2. 「それは~だったね」というような共感を示す相槌 例えば、部下がお客様との契約に成功したとき「おめでとう」というだけではいけません。「おめでとう。君が残業して頑張った成果だよ」というと部下も喜び、次も頑張ろうということになります。逆に、部下が頑張っていたのに成約できなかった時、「夜遅くまで頑張っていたのに、残念だったね」と共感してください。日頃の部下の様子をウォッチングしていることが必要です。話し手の立場や気持ちになった相槌は「もっと話したい」という気持ちにさせる効果があります。
  3. 「それからどうしたの?」というように会話を促進する相槌 この言葉には、その先の話しを聞きたい、という気持ちが込められています。相手が自分の話に興味があることを感じて、話をしたくなるような心理を引き出す効果があります。
  4. 「~ということかな?」と相手の意見要約する相槌 「ところで、君の言いたいのは、〇〇ということかな?」という相槌であり、話を要約してあげることで、相手の話の確認をしたり、相手が頭の中を整理することをフォローすることができます。

 

 

1-7 上司の役割

部下が落ち込んでいる、元気がない、笑顔がなくなった、など部下の様子がおかしいと感じたら、面接をしてください。その時は、部下と面接をして、受容、共感、傾聴のテクニックを使ってください。それでも、治らなければ、産業医や会社の担当部門と相談してください。

 

1-8 注意点

健康なうちは、自分が心の病になったら、専門家に相談できるとお考えの方も多いと思います。しかし、実際にこの病にかかってしまうとそのような冷静な判断ができなくなってしまいます。早めに上司に相談する良いでしょう。

 

 

1-9 コラム ストレスチェック制度 

労働安全衛生法に基づく ストレスチェック制度 実施マニュアルより

 

近年、仕事に関して強い不安、悩み又はストレスを感じている労働者が6割を超える状況にあります(「強い不安、悩み、ストレスがある労働者の推移」厚生労働省労働者健康状況調査より)。また、パーハラスメントや長時間勤務など強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災認定される労働者が増加傾向にあり、労働者のメンタルヘルスへの対応が重要な課題となっています。そこで、施行されたのがストレスチェック制度です。

 

【目的】

労働者が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためす ぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接 を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施 してもらったり、職場の改善につなげたりすることで、「うつ」など のメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みです。

 

【実施義務】

ストレスチェック制度は、常時 50 人以上の労働者を使用する事業 場にストレスチェック制度の実施義務があります。この場合の「労働者」には、パートタイム労働者や派遣先の派遣労働者も含まれます。 また、それ以外の事業場(常時 50 人未満の労働者を使用する事業場)について は、ストレスチェック制度は当分の間、努力義務とされていますが、労働者のメン タルヘルス不調の未然防止のため、できるだけ実施することが望ましいことから、 国では様々な支援を行っています。

なお、労働者が50名未満の事業場については、「努力義務」となっていますが、50名以上の事業場(主に本社など)がある場合は、全社員が同時に受検できるように体制を整備することを推奨します。

 

【実施頻度】

1年以内ごとに1回(実施と労基署への報告が義務)

 

【対象者】

①   期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労 働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上で ある者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されてい る者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。

②  その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事 する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であるこ

 

【実施者】

事業者は事業場の労働衛生管理体制等を整備の上、実施者等を選定します。 事業場の状況を日頃から把握している者(産業医等)が実施者となることが望 まれます。 実施者は、ストレスチェックの企画と結果の評価に関与します。

医師または保健師や精神保健福祉士でストレスチェックする。

また、実施者となれるのは、法令で定められた医師(産業医)、保健師、精神保健福祉士等の資格者に限定されます。

 

【実施事務従事者】

ストレスチェックは、人事部長や役員等で人事権がある方は実施事務従事者にはなれません。 企業の人事権を持たない職員等

産業医や保健師などの実施者(主に委託先)の補助を行うことができる実施事務従事者を事業者は指名することができます。

実施事務従事者の主な業務は、調査票の回収や実施者との連携などの事務作業を行います。

なお、ストレスチェックの結果などの個人情報を漏えいした場合、責任は重大であることから、人選は慎重に行うべきです。

 

【事前準備】

ストレスチェック制度の実施責任主体は事業者であり、事業者は制度の導入方針 を決定・表明します。

 

【調査内容】

事業者は、1年以内ごとに1回、ストレスチェックを実施します。 ストレスチェック調査票を選定し、質問紙または情報通信機器(ICT)を用い て調査票を労働者に配布・記入させます。 厚生労働省では、「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」を無料で提 供しています。

厚生労働省作成「職業性ストレス調査簡易表」(57項目)の利用を推奨

 

 

【結果通知とその後の対応】

実施者は、個人のストレスチェック結果を、労働者に直接通知します。 実施者は面接指導対象者に対して、医師による面接指導を受けるように勧奨します。 法に基づく面接指導以外にもストレスチェック結果に関する労働者からの相談対応 を充実することが望ましいでしょう。

 

【ストレスチェックの結果の記録】

個人のストレスチェックの結果の記録は、事業者が実施事務従事者に保存させるよう 必要な措置を講じます。 労働者の同意により、実施者から事業者に提供された結果の記録は、事業者が 5 年間 保存しなければなりません

 

【集計・分析と職場環境の改善】

実施者は個人のストレスチェック結果を集団ごとに集計・分析し、職場ごとのストレ

スの状況を把握します。

集団ごとの集計・分析の結果は実施者から事業者に通知され、事業者は職場環境の改

善のための取り組みを行います。

【実施状況報告】

事業者は、面接指導の実施後に、ストレスチェックと面接指導の実施状況を 労働基準監督署に報告します。

 

 

心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)

企業でよく使われている「職業性ストレス簡易調査票」の項目

 

【回答肢(4段階)】

A そうだ/まあそうだ/ややちがう/ちがう

B ほとんどなかった/ときどきあった/ しばしばあった/ほとんどいつもあった

C 非常に/かなり/ 多少/全くない

D 満足/まあ満足/ やや不満足/ 不満足

 

Aあなたの仕事についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付 けてください。

  1. 非常にたくさんの仕事をしなければならない
  2. 時間内に仕事が処理しきれない
  3. 一生懸命働かなければならない
  4. かなり注意を集中する必要がある-
  5. 高度の知識や技術が必要なむずかしい仕事だ
  6. 勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない
  7. からだを大変よく使う仕事だ
  8. 自分のペースで仕事ができる
  9. 自分で仕事の順番・やり方を決めることができる
  10. 職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる
  11. 自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない
  12. 私の部署内で意見のくい違いがある
  13. 私の部署と他の部署とはうまが合わない
  14. 私の職場の雰囲気は友好的である
  15. 私の職場の作業環境(騒音、照明、温度、換気など)はよくない
  16. 仕事の内容は自分にあっている
  17. 働きがいのある仕事だ

 

B 最近1か月間のあなたの状態についてうかがいます。最もあては まるものに○を付けてください。

  1. 活気がわいてくる
  2. 元気がいっぱいだ
  3. 生き生きする
  4. 怒りを感じる
  5. 内心腹立たしい
  6. イライラしている
  7. ひどく疲れた
  8. へとへとだ
  9. だるい
  10. 気がはりつめている
  11. 不安だ
  12. 落着かない
  13. ゆううつだ
  14. 何をするのも面倒だ
  15. 物事に集中できない
  16. 気分が晴れない
  17. 仕事が手につかない
  18. 悲しいと感じる
  19. めまいがする
  20. 体のふしぶしが痛む
  21. 頭が重かったり頭痛がする
  22. 首筋や肩がこる
  23. 腰が痛い
  24. 目が疲れる
  25. 動悸や息切れがする
  26. 胃腸の具合が悪い
  27. 食欲がない
  28. 便秘や下痢をする
  29. よく眠れない

 

C あなたの周りの方々についてうかがいます。最もあてはまるものに○を 付けてください。 次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?

  1. 上司
  2. 職場の同僚
  3. 配偶者、家族、友人等

 

あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?

  1. 上司
  2. 職場の同僚
  3. 配偶者、家族、友人等

あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいてくれま すか?

  1. 上司
  2. 職場の同僚
  3. 配偶者、家族、友人等

 

D 満足度について

  1. 仕事に満足だ
  2. 家庭生活に満足だ

 

 

 

2 専門家相談窓口

 

2-1 専門家への相談や受診

心の病(やまい)にも様々な種類があります。病名が同じであっても、症状は人それぞれで千差万別です。症状が辛く長引く場合には、周囲の人に相談するより、専門家に相談するのがお勧めです。周囲の人は、心の病についての理解が不十分で、逆に症状を悪化させられることがあるからです。

 

2-2 医療機関を受診するときに

また、心の病(やまい)を診る医療機関には、精神科、心療内科などの診療科名が使用されています。心の病(やまい)について、医療機関を受診したいと思っても、馴染みのない診療科だけに敷居が高いものです。

そのような時は、保健所や精神保健福祉センター、かかりつけ医、産業医などに相談する方法があります。

病院によって専門的に診る病気が異なる場合もありますので、詳細は電話等で受診前に問い合わせるのがよいでしょう。

 

2-3 精神科、心療内科は怖くない

精神科、心療内科というと、気後れしてしまうかもしれません。何か怖い人でもいるのではないか、変な目で見られるのではないか等、心配になることもあるかもしれません。しかし、心配にはおよびません。先生はその他の診療科の先生より、優しくて、話をよく聞いてくれます。 受診する前に、電話で相談するとよいでしょう。それと、病院の受付も普通の病院と同じです。ただし、受診票の記入量は多くなるかもしれません。また、受診前に問診があるかもしれません。診療方針を決める基本資料になるからです。

診察ですが、その他の診療科の先生のように「なぜ、こんなになるまで放っておいたんだ」と叱ることはありません。治療は、投薬と生活指導です。また、必要に応じてカウンセリングを行うことがあります。

院内の雰囲気は、どちらかと言いえば、皆さん元気がいいことでしょうか?

 

2-4 各地にある相談先(厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」)

もしかすると病気かもしれない、治療は受けているが心配なことがある、人間関係のことや生活のこと、仕事のことなど誰かに相談したいと考えている方、相談できるところはたくさんあります。

 

2-4-1 ■全国保健所一覧(全国保健所長会)

こころの健康、保健、医療、福祉に関する相談、未治療、医療中断の方の受診相談、思春期問題、ひきこもり相談、アルコール・薬物依存症の家族相談など幅広い相談を行っています。

電話相談、面談による相談を受け付けており、健康指導を行う保健師、医師、精神保健福祉士などの専門家が相談に応じます。また、相談者の要望によって、保健師は家庭を訪問して相談を受けることも可能です。面談や訪問を希望する場合は事前に電話で予約や相談をするとよいでしょう。

保健師は地域を分担して受け持っており、相談者の居住地の担当保健師がその相談に対応します。自分の担当地域の保健師と会っておくと、よいでしょう。

 

2-4-2 ■市町村(保健センター)(ウィキペディアより)

市町村保健センター

市町村レベルでの健康づくりを目的としている。

対人サービスが基本となる。

地域における保健・医療・福祉にかかわるさまざまな施設が効果的に機能できるように、 各施設との連携の拠点としての機能が求められる。

保健所

設置できるのは、都道府県・東京都区部・保健所政令市である。

人口動態統計、栄養改善、医療監視、公共医療事業の向上・改善、精神保健、伝染病の予防を行う。

 

2-4-3 ■全国精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは各都道府県・政令指定都市ごとに1か所ずつ配置されています。(東京都は3か所)。

精神保健福祉センターでは、こころの健康についての相談、精神科医療についての相談、社会復帰についての相談、アルコール・薬物依存症の家族の相談、ひきこもりなど思春期・青年期問題の相談、認知症高齢者相談など精神保健福祉全般にわたる相談を行っています。

電話や面接で相談できます。

センターの規模によって異なりますが、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者、作業療法士などの専門職がいます。

事前に電話するか、ホームページなどで情報を確認するとよいでしょう。

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/mhcenter.html

 

2-4-4 ■全国いのちの電話(いのちの電話ホームページより)

「いのちの電話」の活動は、1953年に英国のロンドンで開始された自殺予防のための電話相談に端を発し、ボランティア相談員による電話相談が東京で開始されました。

2016年現在、連盟加盟センターは49センターとなり、分室を含め電話相談を実施している都市は約60ヶ所、約6500名の相談員が活動しております。名前を告げる必要はありません。相談は無料です。

https://www.inochinodenwa.org/lifeline.php

 

2-4-5 ■夜間休日精神科救急医療機関案内

夜間や休日に急に心の病の具合が悪くなったときには、診療時間外でも、診療を受け付ける場合がありますので、かかりつけ病院に、連絡することをお勧めします。

夜間や休日にかかりつけの医療機関が利用できない場合やかかりつけの病院がない場合などには、都道府県が設置している精神科救急情報センター等に相談することもできます。

急患のときにも、精神科の医療機関を受診できる体制整備が、各都道府県で進められています。

急患では、多くの場合、診察を担当するのは初対面の精神科医です。

普段から、具合が悪くなるサインを熟知して、そのような時の対処法を主治医と話し合っておきましょう。医師の指示に従って、サインが現れた時、調子が悪いときの自分にあった対処方法を決めておきましょう。

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/pdf/ercenter.pdf

 

2-4-6 ■地域活動支援センター、相談支援事業所(2007-06-22 朝日新聞 朝刊 生活1)

障害者自立支援法に基づき「地域生活支援事業」の一つとして06年10月から制度化された。実施主体は原則市町村。通所の障害者らに対し「創作的活動または生産活動の機会の提琴などを行うとされている。事業者はNPO法人などの法人格が必要。補助金には国庫補助部分もある。支援法の生活介護や就労継続支援などの「障害福祉サービス事業」とは異なり、利用者は、障害を6段階に分ける「障害程度区分認定」を受ける必要はなく、利用料の原則1割負担もない。改正介護保険法に基づいて市町村に設置された、高齢者に関する総合窓口「地域包括支援センター」とは別の施設。精神障害者らの支援を行ってきた「地域生活支援センター」は、地域活動支援センターなどに再編されつつある。

 

 

3 公的支援

3-1 自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)

厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」より

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/dl/03.pdf

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患で、通院による精神医療を続ける必要がある病状の方に、通院のための医療費の自己 負担を軽減するものです。

対象となる精神疾患により、通院による治療を続ける必要がある程度の状態の方が対象となります。 対象となるのは全ての精神疾患です。具体的には、次のような疾病が対象となります。統合失調症 ・うつ病、躁うつ病などの気分障害 ・不安障害 ・薬物などの精神作用物質による依存症 ・知的障害 ・強迫性人格障害など「精神病質」 ・てんかん などです。

 

3-2 高額療養費制度

世帯で複数の方が同じ月に病気やけがをして医療機関で受診した場合や、お一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。

ただし、70歳未満の方の合算できる自己負担額は、21,000円以上の金額(下記の「合算対象のポイント」)に限られますが、70歳以上の方は自己負担額をすべて合算できます。

合算対象のポイント

70歳未満の方の場合は、受診者別に次の基準によりそれぞれ算出された自己負担額(1ヵ月)が21,000円以上のものを合算することができます。

自己負担額の基準

医療機関から交付された処方せんにより調剤を受けた場合は、薬局で支払った自己負担額を処方せんを交付した医療機関に含めて計算します。

 

3-3 労災補償

労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。(労働者災害補償保険法第1条)。

パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、超過勤務など会社に問題がある場合、労災保障の対象になる場合もあります。

労働者が業務中や通勤途上での怪我や病気によって休業し、賃金の支給を受けないときには、平均賃金の80%の補償が受けられます(休業補償)。また、障害が残った場合の障害補償、業務上死亡した場合、遺族に対して年金または一時金を支給する遺族補償があります。

 

3-4 傷病手当

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

会社等で仕事をしている方が、病気やケガのため仕事を休まなければならなくなり、給料をもらえなくなった場合、安心して療養ができるように、健康保険から、最長1年6か月にわたって給与の一部の金額が支給されるのが「傷病手当金」です。金額は、一年間の標準報酬月額の平均の2/3が支払いになります。

 

3-5 精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、社会生活や仕事をすることなどに支障がある場合の精神障害の状態にあることを認定するものです。精神障害者の自立支援と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援が行われています。

また、各方面のご協力により、手帳所持者への支援が広がっており、税金の軽減、電話料の割引、公立公園の入場料無料化、駐車料の軽減などがあります。

 

3-6 生活保護

この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。(生活保護法第一条)

 

3-7 特別障害者手当 (厚生労働省ホームページより)

精神又は身体に著しく重度の障害を有し、日常生活において常時特別の介護を必要とする特別障害者に対して、重度の障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害者の福祉の向上を図ることを目的にしています。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/tokubetsu.html

 

3-8 障害年金 (日本年金機構ホームページより)

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。

なお、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。

また、障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの条件が設けられています。

http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html

 

3-9 特別障害給付金制度  (日本年金機構ホームページより)

国民年金に任意加入していなかったことにより、障害基礎年金等を受給していない障害者の方について、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ、福祉的措置として「特別障害給付金制度」が創設されました。

http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/tokubetsu-kyufu/20150401.html

 

3-10 生活福祉資金の貸付 (全国社会福祉協議会ホームページより)

低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。

低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯等世帯単位に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金、たとえば、就職に必要な知識・技術等の習得や高校、大学等への就学、介護サービスを受けるための費用等の貸付けを行います。

http://www.shakyo.or.jp/seido/seikatu.html

 

3-11 特別児童扶養手当(厚生労働省ホームページより)

精神又は身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/huyou.html

 

3-12 障害児福祉手当(厚生労働省ホームページより)

重度障害児に対して、その障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害児の福祉の向上を図ることを目的としています。精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給されます。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/hukushi.html

 

 

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